未来を見据え、ESGを経営の根幹とする「Kirei Lifestyle Plan」を推進する。他企業や自治体との外部連携を強めながら、プラスチック循環社会の実現を目指す。

 花王は、2019年4月に独自のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を発表した。これまでのやり方や在り方、考え方を抜本的に変え、ESGを根幹に据えた経営にシフトしていくと宣言したものだ。

 心豊かで、思いやりに満ちた暮らしである「Kirei Lifestyle」を実現するため、「快適な暮らしを自分らしく送るために」「思いやりのある選択を社会のために」「よりすこやかな地球のために」を3本柱に、生活者の目線に立った19の重点取り組みテーマを設定している。

 社会課題の1つであるプラスチックごみ問題については、プラごみを減らす「リデュースイノベーション」と、プラごみを資源に変える「リサイクルイノベーション」を両輪とした様々なアプローチを通じて、プラスチック循環社会の実現を目指す。さらに、製品を発売して終わりにせず、原料から製品の廃棄(処理)まで一貫して取り組む「NEWバーティカルインテグレーション」、商品設計の段階からESG視点を盛り込む「ESG設計」といった技術革新も推進していく。

■ 花王のプラスチック循環社会に向けた取り組み
■ 花王のプラスチック循環社会に向けた取り組み
出所:花王

リサイクルの外部連携を強化

 リサイクルイノベーションとして、現在花王が推進しているのは、他社や自治体などとの外部連携だ。

 「リサイクルの取り組みは、当社1社だけで実現できるものではない。競合を含む他社、団体、行政・自治体など様々なステークホルダーと協働することで、資源循環サイクルの構築を目指す」と、花王リサイクル科学研究センターの南部博美センター長は説明する。リサイクル科学研究センターは20年5月に設立され、社外とのリサイクル連携の機能を備える。

 20年10月に開始したライオンとの協働によるリサイクルの実証実験では、イトーヨーカドー曳舟店の店頭に回収ボックスを設置して、通常ごみとして捨てられてしまう詰め替えパックの回収に取り組んでいる。開始から約7カ月で回収した詰め替えパックは、計画の約2倍となる約5200枚にも上った。

 こうして回収した詰め替えパックは、花王の和歌山工場に設置したパイロットプラントに持ち込まれ、リサイクル技術の開発・検証を行う。複合材で作られている詰め替えパックは、単一素材で作られるボトル容器よりもリサイクルが難しいとされてきたが、同社では詰め替えパックを洗浄・粉砕・混練するなどしてペレット化し、成型する技術を開発してきた。将来的には詰め替えパックから詰め替えパックへの水平リサイクルを実現したい考えだ。