「日本で最大級のガスエンジン3台を入れ、その供給能力を考えて対象エリアを決めた。平時のピークの50%を自己発電で賄えばBCPが高いクオリティで維持できる」と環境・エネルギー事業部事業グループの西川翔太氏は話す。

 必要な熱供給量を考え、廃熱を有効利用できる場合にガスエンジンを動かす。基本的に熱供給の需要が少ない夜間は、東電からの電力で賄う。廃熱の有効利用、機器の高効率化、熱供給の最適化により、供給エリアで約30%のCO2削減が可能になったという。

■ 東京の中心部でエネルギーの地産地消を実現する「日本橋エネルギーセンター」
日本橋エネルギーセンター 中央監視室
日本橋エネルギーセンター 中央監視室
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地中に送電線とともに配管と通信網を敷設し強靭なエネルギーネットワークを構築(左)、コジェネレーションシステム発電機(右)<br><span class="fontSizeS">(出所:三井不動産TGスマートエナジー)</span>
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地中に送電線とともに配管と通信網を敷設し強靭なエネルギーネットワークを構築(左)、コジェネレーションシステム発電機(右)<br><span class="fontSizeS">(出所:三井不動産TGスマートエナジー)</span>
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地中に送電線とともに配管と通信網を敷設し強靭なエネルギーネットワークを構築(左)、コジェネレーションシステム発電機(右)
(出所:三井不動産TGスマートエナジー)

豊洲にで新プロジェクトが始動

 三井不動産TGスマートエナジーは20年3月、豊洲ベイサイドクロスタワー(東京・江東区)内に「豊洲エネルギーセンター」を完成させ、豊洲駅前エリアでもスマートエネルギープロジェクトを始めた。

 「日本橋のプロジェクトは超都市型で、経済の重要拠点での取り組み。それに対し、豊洲は駅前に都市機能が集約しており、日本各地で検討が進むコンパクトシティ構想への活用が期待できる」と西川氏は2つのプロジェクトの特徴を説明する。

 三井不動産は20年12月にグループ全体の温室効果ガス排出量削減の中長期目標を公表した。30年度までに19年度比で30%減、50年度にネットゼロを目指すとしている。

 「脱炭素社会の実現に向け、政府や研究機関、企業など様々なセクターが取り組みを開始している。その1つの現実解なのがスマートエネルギープロジェクトであり、日本橋で計画している国産材を使った木造ビル建設によるCO2削減だ。

 今できる最善のことを実現し、より良いソリューションを具体的に提案していく。それが我々の使命と考えている」と、ESG推進室統括の平元賢治氏は語る。現実解を着実に実行し、磨き上げていくことが同社のアプローチなのである。400年の伝統がある街「日本橋」はこうして持続可能な発展を遂げていく。