2023年完成を目指す「虎ノ門・麻布台プロジェクト」は、森ビルの再開発事業の集大成である。自然と共生しながら人々が健康に暮らせる街を追求し続ける同社の1つの解がここにある。

 「Vertical Garden City - 立体緑園都市」を理想の都市モデルとして、総合デベロッパーの森ビルは東京・港区を中心に都市開発や不動産事業、文化・芸術・タウンマネジメント事業を展開する。平面過密化した市街地に多彩な都市機能を立体・重層的に組み込むことにより、地上を緑と人に開放し賑わいを生み出すコンパクトシティーを目指す。その環境へのインパクトは大きく、緑被率の増加や、エネルギー使用量の削減、資源循環の促進などにつながっている。

 理想の開発は街づくりの中に具現化しており、1986年完成の「アークヒルズ」は職住近接、都市と自然の共生、文化の発信という「ヒルズ」モデルの原点となっている。

 2003年に完成した「六本木ヒルズ」は、東京に新しい「文化都心」を生み出した国内最大規模の再開発だ。また、14年開業の虎ノ門ヒルズ 森タワー、20年開業のビジネスタワーを有する虎ノ門ヒルズエリアでは、今後さらに2棟が加わり、新たなビジネスやイノベーションを次々と生み出す「国際新都心・グローバルビジネスセンター」の形成が進む。

■ 2023年完成予定の「虎ノ門・麻布台プロジェクト」完成イメージとエリアマップ
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同プロジェクトの計画地は、アークヒルズに隣接する8.1haに及ぶ広大なエリア。文化都心と位置付ける六本木ヒルズとグローバルビジネスセンターの虎ノ門ヒルズの中間に位置する
(イメージ写真・地図提供:森ビル)

「広場」のような街づくり

 こうした街づくりを進める同社が23年3月完成を目指すのが、「虎ノ門・麻布台プロジェクト」だ。約8.1haもの広大な計画区域では「Modern Urban Village」を開発コンセプトに、緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街づくりに取り組む。30年の年月をかけ多くの権利者と議論を重ね進めてきたこのプロジェクトは、今までの再開発事業で培ったノウハウ全てを注ぐ「ヒルズの未来形」でもある。

 コンセプトを支えるのが「Green」と「Wellness」という2つの柱だ。Greenは「圧倒的な緑に囲まれ、自然と調和した環境」を表し、約6000m²の中央広場を含む約2万4000m²もの面積が緑化されるという。

 同社は「安全・安心」「環境・緑」「文化・芸術」を事業の3つの重要テーマに掲げる。中でも「『環境・緑』は、これからの都市づくりに欠かせない世界的なテーマ」と、都市開発本部 計画企画部 環境推進部兼タウンマネジメント事業部 パークマネジメント推進部の村田麻利子氏は語る。このプロジェクト全体に「RE 100」(事業活動に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際イニシアチブ)に対応する、再エネ100%の電力供給を予定する。

■ 緑につつまれ、人と人がつながる「広場」のような街を目指す
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低層部の屋上を含む敷地全体を緑化するとともに、シームレスに水と緑がつながるランドスケープを整備する。多様な樹木や草花、水辺を配した、自然に溢れる憩いの場を創出する
(イメージ写真提供:森ビル)