日本製紙グループは自社開発の機能性材料を活用したスキンケア商品で、初めて化粧品事業に乗り出した。総合バイオマス企業として幅広い事業展開を行うことで「森林資源の循環」の実現を目指す。

 1949年設立の十條製紙を前身として、山陽国策パルプとの合併により93年に誕生した日本製紙は、印刷などに用いられる紙、板紙と呼ばれる段ボール原紙、パッケージ、家庭紙など、日本の紙の発展とともに成長を遂げてきた。さらに、合併や合弁事業の設立などを進めることで企業規模を拡大し、2013年の事業会社制への移行により現在の日本製紙グループの形になった。

 こうした企業の成長、紙の可能性の拡大などに伴って日本製紙グループの事業内容も多様化してきた。「木とともに未来を拓く」を企業理念として、ケミカル材料、木質バイオマスを利用したエネルギー事業、木材・建材事業と、「木」を中心に据えた、紙関連にとどまらない事業を幅広く展開している。

 総合バイオマス企業としての成長戦略では、「持続可能な森林資源の循環」「技術力で多種多様に利用する木質資源の循環」「積極的な製品リサイクル」という「3つの循環」を掲げる。

 日本製紙グループが考える木質資源循環の仕組みは、以下の通りだ。まず、森林が成長する過程で大気中のCO₂は木に吸収され、固定される。その木を資源として多様な紙製品を生産すれば、炭素を製品に固定したまま循環させるので、大気中にCO₂を発生させない。紙製品は積極的なリサイクルを進めるだけでなく、リサイクルされない製品も燃料などに有効利用する。燃焼により発生するCO₂は、木が大気中から吸収した炭素由来であるため、大気中のCO₂の総量が増えることはないと見なされる。

■ 日本製紙グループの成長戦略
■ 日本製紙グループの成長戦略
出所:日本製紙
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グループ初の化粧品事業参入

 「3つの循環」では、木質資源を紙製品や燃料として使うことに加えて、新素材の開発にも積極的な姿勢を見せている。21年に策定した「2030年ビジョン」の中でも、「3つの循環」と関連して「森林価値の最大化」と「バイオマス製品の拡大」を追求することを重要課題としている。その両方を実現する取り組みの1つとして、自社開発のバイオマス素材を生かした化粧品事業に乗り出した。