包装材のグローバル企業として、日米を中心に新しいリサイクル技術の開発・普及に取り組む。サプライチェーンを巻き込み、廃棄ラベルを再びラベルに戻すための実証実験も始まった。

 フジシールは熱で収縮するフィルムを使った「シュリンクラベル」を主力に、粘着シールタイプのタックラベルやソフトパウチ(口栓付きの軟包材容器)、ラベル装着用機械の製造・販売事業を展開している。シュリンクラベルは1961年に同社が世界で初めて開発し、今では飲料、食品、乳製品、日用品など幅広い商品で利用されている。

 国内で約6割のシェアを持つシュリンクラベルで代表的なものが、ペットボトルの表面に商品名や成分表示などが印刷されたラベルだ。熱収縮によってボトルの形に添って密着、ミシン目に添って破るとペットボトルから剥がせる。一方、ソフトパウチは詰め替え用の洗剤やシャンプーといった液体を封入した、やわらかい包装材のことだ。

 これらをフジシールは、日本や米州、欧州、アジアの各市場において、それぞれの地域特性に合ったかたちで展開している。

 一方でフジシールは、環境配慮の観点から、ペットボトルなど容器のリサイクルを促進しやすいラベルやパッケージを70年代から考案してきた。さらに、容器の「軽量・減量化」や「排出抑制・削減」も、様々な角度から考え抜いてきた。

 「パッケージングの利便性と環境負荷を低減できるアイデアを、従来の常識にとらわれずに生み出せるのが当社の強み」と、フジシールインターナショナルの上陰那央環境サステナブル推進室長は説明する。

ラベル自体を再生・循環

 フジシールが環境配慮型製品の「究極のゴール」として掲げるのが、「ラベルやパッケージングそのものを再生・循環できる仕組み」の構築である。米州と日本を起点に、グローバルで新たな取り組みを進めている。

 米州では「RecShrink™(レックシュリンク)」と名付けた新しいラベルを2019年に開発した。ラベルとペットボトルを一緒に回収してリサイクルするのが狙いだ。現在では米リサイクル協会も同ラベルをリサイクル可能品として認定し、普及段階へと進んでいる。

 「PET(ポリエチレンテレフタレート)素材のラベルとボトルを一緒にリサイクルできないか」という米州の顧客企業が投げかけた一言から開発がスタートしたという。

■ 顧客のプロセスに着目した環境対応ソリューション
■ 顧客のプロセスに着目した環境対応ソリューション
ラベルやソフトパウチなどの開発・製造において「軽量・減量化」「排出抑制・削減」「リサイクル促進」の課題に取り組み、サステナブル社会の実現に貢献している
(出所:フジシール)
[クリックすると拡大した画像が開きます]