「ユニフジで生産しているパーム油は、CBE(Cacao Butter Equivalent) という代用脂に必須の素材だが、品質評価だけでなくそのサステナビリティに付加価値を認めて買ってくれるのが世界で活躍する多国籍企業だ。当社全体から見れば販売量は多くはないが、利益率は高い」と、科野氏はユニフジが重要な戦略拠点であると説明する。

 多国籍コンフェクショナリー企業の要望の多くは、既にRSPO規格以上の透明性の高いパーム油に焦点が移っている。搾油工場までのトレーサビリティにとどまらず、農園までのトレーサビリティ向上をKPIに設定しているのはそのためだ。

 ユニフジは現在6割の稼働状況だが、不二製油のRSPO認証油比率は2017年度からの2年間で17%から24%に向上した。20年は28%を見込んでいる。

ブラマー社の調達ノウハウを活用

 もう1つの主要原料であるカカオ豆についても、18年8月に「責任あるカカオ豆調達方針」を策定し、「農家の生活環境改善」「サプライチェーンの児童労働撤廃」「森林破壊防止と森林保全」を目指している。

 中長期目標に掲げたKPIは2つ。1つは、「サプライチェーン上における児童労働を30年までに撤廃するため、25年までにILO(国際労働機関)の定める『最悪の形態の児童労働(WFCL)』ゼロを達成」、もう1つは、「カカオ栽培地域に対して、2030年までに樹木品種の多用途性と生物多様性に配慮した100万本の植樹を実施」である。

■ インドネシアのランドスケープアプローチによる改善活動
■ インドネシアのランドスケープアプローチによる改善活動
インドネシアのスマトラ島で、女性や子どもたちが農業慣行や作物栽培の方法を学ぶ学校を支援する
(出所:不二製油)

 主な活動として、①現場改善の支援、②米ブラマー社との連携、③業界との協働──の3つを挙げる。

 現場改善策として取り組んだのが、18年12月に始めたエクアドルでのカカオ農家支援だ。68軒の農家に対して、直接サプライヤーが農園管理や土壌管理、収穫後の発酵作業などに関するトレーニングを実施した。これにより、カカオ豆の品質が上がり、生産量も増加するという効果を生んだ。支援先農家では1年間で単位面積当たりの収穫量が5%増えたという。

 カカオ豆を取り巻く状況は、パーム油とはやや異なる。ここ10年ほどでカカオ豆の消費量は1.6倍に増えたが、「パーム油のRSPOのように、持続可能なサプライチェーンを国際的に担保させようとするプラットフォームが今のところカカオにはない」(科野氏)のが現状だ。このため児童労働の関与を監視するシステム「CLMRS(児童労働監視改善システム)」などを利用し、サプライチェーンを改善している。