環境負荷低減のため商品・物流・売り場を対象に「スカスカ撲滅運動」を推進している。無駄の排除や作業の効率化によって、生産性向上や働き方改革の実現にもつなげる。

 「環境負荷の低減を目的に、グループを挙げて『スカスカ撲滅運動』を推進している」

 こう話すのは全国の中堅・中小スーパーマーケットが結集する協業組織(コーペラティブ・チェーン)、CGCグループの本部機能を担うシジシージャパンの芹澤政満常務取締役企画本部本部長だ。

 CGCグループの加盟企業は現在205社、店舗数は全国で4200店を超える。加盟各社の自主性や自助努力を尊重しつつ、大手チェーンに伍していくために商品開発、販売支援、物流、情報システムなどの分野で協業活動を行う。

 企業規模や各社の方針によって取り組みにばらつきがある環境課題については、定期的な全国環境会議で先行企業の動向を情報共有し、意識向上や取り組みの強化を図っている。

 シジシージャパンが2017年から進めているのがスカスカ撲滅運動だ。スカスカ撲滅は商品・物流・売り場の3つを対象とする。まず「スカスカ商品の改善」に取り組んだ。

 スカスカ商品とは、大袋入りの菓子など中身の容量に比べてパッケージが大きく余剰空間が多い商品を指す。バブル崩壊後の景気低迷とデフレの中、原材料価格の高騰に直面したメーカーが、値上げではなく商品サイズの縮小や大袋に入れる個数の削減で対応したことから生まれた。

 その状況に業を煮やしたのが同社の堀内淳弘代表だった。スカスカ商品はプラスチックごみが増える上に、配送や売り場の陳列スペースにも無駄が生じる。「空気を運んで売っているようなもの。生産性が下がる」と、メーカーに対してパッケージサイズの適正化を強く訴えた。

仮説の陳列棚を作って説得

 だが、パッケージの変更には生産ラインの設備投資が必要になる。「売り場で目立たない」「売れなくなる」といった営業部門の反対もあり、メーカーの抵抗は根強かった。

 シジシージャパンは説得のため、現行商品のパッケージをテープで留め、サイズを適正化した場合の陳列棚をつくって見せた。「パッケージサイズの適正化により陳列棚で約3割のスペースが空くことを実証した。その分、陳列できる商品が増え、売り上げ向上が可能になると説明して理解を得た」(芹澤常務)。

 この働きかけが実り、18年以降、パッケージをリニューアルする動きが出てきた。大手菓子メーカーはあるチョコレート菓子のパッケージをスリム化し、プラスチックを27%削減した。大手ハムメーカーに製造を委託するプライベートブランド商品では巾着袋2パックで束売りしていたウインナーソーセージを、平袋1袋にまとめた上でソーセージを1本増やして販売した。

 中でも大きな成果が出たのが、亀田製菓が販売するスナック菓子「通のえだ豆」だ。19年に袋の中のプラスチックトレーを排除し、パッケージの横幅を4cmほどスリム化した。それまで陳列棚には1種類しか並べられなかったが、「通のえだ豆」のほか「焼き海老」「とうもろこし」などスリム化した分、数種類の商品を並べることができた。お客の視認性が高まり、売り上げが倍増したという。

 パッケージをスリム化すれば資材が減る分、コストも削減できる。これを知った他の米菓メーカーも追随し、今では米菓業界全体がスカスカ改善に動きつつある。

 シジシージャパンが商品に続いて着手したのが、「スカスカ物流の改善」だ。現在の物流は多頻度少量が主流で、トラックの積載率が低くても毎日納品する体制となっている。無駄が多くコストも高くつくことから、同社はトラックの積載率を上げた上で、少頻度多量の物流へと変革に取り組むことになった。