生産性向上や働き方改革も実現

 そのために導入を進めているのがパレット物流だ。工場から各センターまで、段ボールをパレットに載せたまま輸送することで商品の積載率を上げるとともに、各拠点での作業軽減を図る。トラック1台分の段ボールを積み降ろしする際、手作業で一つひとつ運ぶと2~3時間かかるが、パレットごとフォークリフトに載せれば20~30分で済む。

 20年10月、シジシージャパンはCGCグループのプライベートブランド(PB)商品を製造委託するメーカー10社を集めて、第1期「パレット物流推進委員会」を発足させた。各メーカーがパレット積みを前提に、より多くの商品を詰められるようにパッケージを見直しながら段ボールサイズの規格化を図っている。

 21年7月には新たに11社が参加する第2期がスタートした。加工食品、菓子、雑貨のPB45品目でパレット物流実現に向けた取り組みが進んでいる。ある加工食品メーカーは、パッケージの見直しと段ボールのサイズ変更で、パレットに積む商品量が約4割増えた。トラックへの積み込み時間も半分に短縮したという。

 物流業界では、働き方改革関連法によってドライバーの労働時間に上限が設定される「24年問題」への対策が急務となっている。スカスカ物流の改善は配送効率の改善や働き方改革を実現し、この問題の解決を先取りできる取り組みでもある。

 シジシージャパンは「スカスカ売り場の改善」も進めている。スカスカ商品の改善によって陳列棚の無駄なスペースを削減できることを実証したが、さらにその取り組みを発展させ、商品の縦置き陳列に挑戦している。

 日本の菓子や冷凍食品は横型デザインのパッケージが多く、そのまま陳列棚に並べると棚板との間に隙間ができる。縦向きに置けば隙間が埋まり、より多くの種類の商品を陳列できるので販売チャンスが増える。実際、菓子を縦置きすることで、売り上げが40%も上昇した加盟スーパーもあるという。

 シジシージャパンはメーカーに対してパッケージの縦型デザインへの変更も働きかけている。既にCGCグループが扱う商品のうち、冷凍食品63品目、菓子6品目が縦型デザインに切り替わった。表が縦型、裏が横型デザインのリバーシブル仕様も開発するなど、縦陳列の取り組みを加速している。

■ 商品の縦陳列で「スカスカ売り場」を改善
■ 商品の縦陳列で「スカスカ売り場」を改善
商品を縦に陳列することで棚板との間の隙間を減らせる。より多くの商品を陳列できて、販売チャンスが増える。縦陳列で菓子売り場の売り上げを40%も上昇させた加盟スーパーもある。日本では横型デザインの商品が多かったが、冷凍食品、菓子などで縦型デザインも出てきた
(出所:シジシージャパン)
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■ 物流標準化に向けた4つの取り組み(スカスカ物流改善)
■ 物流標準化に向けた4つの取り組み(スカスカ物流改善)
「パレット物流推進委員会」に参画するメーカーが、パレット積みを前提にパッケージの適正化や段ボールサイズの規格化に動く。加工食品、菓子、雑貨のPB45品目で取り組みが進んでいる
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 スカスカ撲滅運動は、環境負荷低減だけでなく、生産性向上や働き方改革などにもつながる。人口減少や少子高齢化の影響を受けるサプライチェーン全体の経営にも貢献し得る取り組みとなっている。

 「グループやお取引先の共感をいただきながら商品、物流、売り場を改善し、業界の発展に貢献したい」と話す芹澤常務。今後もスカスカ撲滅運動に一層の力を注ぐ。