はごろもフーズグループは創業以来91年にわたって缶詰を主要製品として成長を遂げてきた。容器のリサイクル率が高く長期保存可能な缶詰を中心に、サステナビリティ活動を展開している。

 「シーチキン」を主要製品とするはごろもフーズグループは、1931年の創業以来、缶詰、パウチ、パスタ、のり、サプリメントなどの食品からペットフード、フィッシュミールなどを幅広く製造販売してきた。

 「人と地球に愛される企業を目指します。」を経営理念とする同社では、食品事業を中心に展開する中で、環境経営にも注力する。2012年9月に「エコアクション21」の認証を取得してからは、環境経営リポートを毎年発表している。22年1月にISO14001認証を取得した富士山パスタプラントをはじめとした、国内7カ所の自社プラントにおけるエネルギー使用量やCO₂排出量、食品廃棄物発生量、食品リサイクル率などの数値目標を掲げた環境経営を実践している。

 21年2月には、代表取締役社長および各本部長で構成した「SDGs推進委員会」を発足し、サステナビリティを推進する体制を整えた。同社でSDGsを担当する専務取締役経営企画本部長の川隅義之氏は、「環境問題と親和性が高い缶詰事業を中心に、SDGsやサステナビリティという視点で具体的な目標を設定した」と、環境への取り組みを説明する。

 主要製品である缶詰のスチール缶やアルミ缶はリサイクル率が94%以上と極めて高い。常温で長期保存が可能で調理しなくてもおいしく食べられるため、エネルギー消費の削減にもつながる。「持続可能な容器を使用し環境に配慮した製品である缶詰を製造販売する当グループでは、安全・安心な食品を安定的にお客様にお届けすることが、サステナビリティ活動になっていると考える」と川隅氏は話す。

6つの重点課題を策定

 はごろもフーズではサステナビリティ活動を推進するに当たって、「シーチキンの原料であるマグロ・カツオを守る」「持続可能な容器・包装資材の使用推進」「食品ロス削減」「エネルギー・水リスクへの対策」「環境保全活動への取り組み」「自信・働き甲斐・生き甲斐の持てる会社の実現」という6つのサステナビリティ重点課題を設定した。

 シーチキンの原料については、環境に配慮した漁法で漁獲した魚を使うことや、魚を100%使い切ることなどを目標としている。マグロの場合、シーチキンなどの缶詰に使われるのは1匹のうち約45%だが、頭骨やウロコ、皮などは乾燥して肥料や飼料として活用する。煮汁を濃縮したエキスも調味料、健康食品、化粧品の原料として活用することで、マグロ1匹をまるごと使い切る。

■ 原料の利用状況
■ 原料の利用状況
缶詰に使われるのは1匹のマグロの約45%だが、煮汁や骨、ウロコ、皮といった部分も有効活用することで100%使い切る
(出所:はごろもフーズ)