重要取組課題の1つに掲げる「健康・栄養」分野で「次世代ヘルスケア事業」を推進する。独自に育成した「健幸サポート栄養士」による健康セミナー事業をスタートする。

 2017年に森永乳業は創業100周年を迎えた。「次の100年」に向けて、持続的成長を遂げようと積極的にESG経営を進めている。

 100周年ではプロジェクトチームを結成しコーポレートミッションを刷新した。「乳で培った技術を活かし私たちならではの商品をお届けすることで健康で幸せな生活に貢献し豊かな社会をつくる」を経営理念に、「かがやく“笑顔”のために」をコーポレートスローガンに定めた。

 19年には総合乳業グループとしてさらなる飛躍を果たすべく、「森永乳業グループ10年ビジョン」を策定した。10年後に目指す姿を、「『食のおいしさ・楽しさ』と『健康・栄養』を両立した企業」「独自の存在感を発揮できるグローバル企業」「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業」と明確化した。

 21年3月期までの3年間を10年ビジョン達成に向けた事業基盤づくりの期間と位置づけ、中期経営計画も策定した。そこに盛り込んだ基本方針の1つが「ESGを重視した経営の実践」である。重要取組課題として「健康・栄養」「環境」「供給」など7項目を掲げ、それぞれKPI(重要業績評価指標)を設定して活動している。例えば、環境のKPIの1つ「プラスチック容器包装の重量を13年度比10%減」については、前倒しで19年度に15.9%減を達成している。

■ 新・中期経営計画基本方針
出所:森永乳業
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 コーポレート本部CSR推進部担当部長の山本美穂子氏は、「コーポレートミッションを策定後、社員向け、管理職・次期管理職向けにワークショップを開き、事業や業務に理念をどう落とし込むかを考えるなど、浸透のための活動を続けてきた。社員たちの経営理念への理解が深まり、同時にESGやSDGsに対する意識も定着してきた」と成果を語る。

 栄養のある食品が少ない時代に栄養価が高い乳を普及させたいと創業した森永乳業にとって、重要取組課題の中でも“本丸”は「健康・栄養」だ。長期的視点に立ち、食と健康に貢献する「次世代ヘルスケア事業」の基盤構築を進めている。

次世代ヘルスケア事業を推進

 その取り組みの1つとして始めたのが、独自の健康セミナー事業だ。健康セミナーを管轄する営業本部営業企画部アシスタントマネージャーの桃田拓郎氏は、「お客さまの健康のため、これまでの研究開発で得た知見や栄養士の能力を活かした健康情報を発信したいと考え、セミナーを開始した。これまで以上に情報をお客さまに届けることが次世代ヘルスケア事業の核になる」と話す。

 現在、健康セミナーのテーマは「ビフィズス菌」「免疫」「タンパク質」の3つ。科学的データをもとに、テーマについての基礎知識、暮らしに取り入れられる健康のヒントを伝えるほか、受講者の健康チェック、食事のレシピや運動プログラムなどを紹介する。

 育児用ミルク、ヨーグルト、シニア食品などの開発を通して、半世紀以上にわたり健康に関する研究を行ってきた森永乳業研究所がセミナー内容を監修している。