健幸サポート栄養士が講師に

 健康セミナーの講師を務めるのは、新たに森永乳業が育成した「健幸サポート栄養士」たちだ。

 育児用ミルクを販売する森永乳業には、グループ内に調乳や栄養を指導する栄養士が在籍している。20年春以降、首都圏の栄養士のうち、16人が、森永乳業研究所と営業企画部が作成した50時間ほどの研修カリキュラム受講を経て、健幸サポート栄養士に認定された。

 森永乳業はこの健康セミナーを企業の社員向けセミナー、自治体の市民向けセミナー、ドラッグストアのお客さま向けセミナーなどに活用してもらおうと考えている。費用はオンラインセミナーの場合で60分10万円から。22年3月期に75回、23年3月期に150回のセミナー開催を目指す。

■ 次世代ヘルスケア事業における新ビジネス
■ 次世代ヘルスケア事業における新ビジネス
次世代ヘルスケア事業として展開する健康セミナーは、森永乳業研究所が科学的データをもとに構成・監修。特別な訓練を受けた健幸サポート栄養士が講師を務める<br><span class="fontSizeS">(写真提供:森永乳業)</span>
次世代ヘルスケア事業として展開する健康セミナーは、森永乳業研究所が科学的データをもとに構成・監修。特別な訓練を受けた健幸サポート栄養士が講師を務める<br><span class="fontSizeS">(写真提供:森永乳業)</span>
次世代ヘルスケア事業として展開する健康セミナーは、森永乳業研究所が科学的データをもとに構成・監修。特別な訓練を受けた健幸サポート栄養士が講師を務める
(写真提供:森永乳業)

 21年1月に事業の発表をした後、既に健康経営に関心のある企業から依頼があった。「ダイバーシティを推進したいと考えている企業の中には、女性社員にフォーカスした女性向けの健康セミナーを求める声もあった。今後は各企業のニーズに応えられるようなセミナーも検討していきたい」と桃田氏は語る。

森永乳業は健康セミナー事業のほか、次世代ヘルスケア事業の取り組みとして、健康寿命延伸に向けた商品開発、スーパーマーケットやコンビニエンスストア以外の新たなチャネル開拓にも力を注いでいる。

独自のロングライフ製法により、常温保存を可能にした「1日不足分 のむヨーグルト」<span class="fontSizeS">(写真提供:森永乳業)</span>
独自のロングライフ製法により、常温保存を可能にした「1日不足分 のむヨーグルト」(写真提供:森永乳業)

 20年1月にはEC事業統括部を創設し、EC(電子商取引)の強化に乗り出した。同年、ヨーグルト業界初(Mintel GNPD を使用した森永乳業調べ)の常温保存可能なヨーグルトとして開発した「1日不足分の鉄分 のむヨーグルト」をECで先行発売した。食品カテゴリーはECの約8割を常温保存可能な商品が占め、その4割強が健康食品であることから買い置きできる健康食品のニーズが高いと判断した。

 こうして新たな挑戦を始めた森永乳業は今、コーポレートブランドの強化にも乗り出している。

 3年前にプロジェクトチームを結成し施策を検討してきた。その背景には、「育児用ミルクからシニア向け流動食まで、幅広いターゲットに身近な商品を提供しているにもかかわらず、商品と企業の結びつきが弱く、森永乳業の企業イメージが薄い」(山本氏)との問題意識があった。

 具体的な企業像が生活者の心に残るよう、20年12月にはコーポレートムービーの発信を始めた。育児に奮闘する若い夫婦、会社の先輩女性と後輩男性などの日常をアニメーションで描き、日々の健やかな暮らしの中に森永乳業の商品が寄り添っていることをさりげなく示す映像だ。テレビCMとして放映するほか、ウェブサイトやSNSでも配信する。

 「今後はオンラインイベントなども活用しながら、幅広い世代の生活者と接点をつくり、森永乳業の存在感を高めたい」と山本氏は語る。一人ひとりの生活に寄り添いつつ「健康・栄養」に貢献する企業として、一層の企業価値の向上を図る。