■ 独自に開発した人事評価制度
■ 独自に開発した人事評価制度
細分化された項目で評価の見える化を実現する
(出所:NIK環境)

 人事コンサルタントに頼めば簡単だが、それでは社長である自分の思いや考え方は伝わらない。佐藤社長は、自ら評価制度つくりに取り組み、試行錯誤の末に独自の仕組みをつくり上げた。

 その人事評価制度は、勤務態度、基礎能力、安全、顧客対応、技能・知識など7区分255項目で構成した。社員はそれぞれの項目を自己評価する。評価基準は、「全然できていない。やっていない」「少しはできる」「基本的なやり方でできる」「優れたやり方、応用的なやり方でできる」「人に教えられる。手順書などでマニュアル化している」の5段階である。

 さらに評価制度を基に階級制度と昇格基準を明確にし、22年度から階級制度に基づく賃金制度へ移行する計画だ。「この評価制度は、社員が自分自身を知るきっかけになるはず。評価で社員を判断するのではなく、成長した社員を評価したい」と佐藤社長は自ら作り上げた制度に込めた思いを語る。

 高評価の社員を社内で公開し、注目すべき取り組み内容を全社で共有する。評価制度はまだ運用を始めたばかりで、社員の意見を取り入れながら今後も改良していく。

 評価制度を新設して業務改革を進めたことによる効果は既に見え始めている。「一部の社員は目に見えて分かるほど仕事に取り組む姿勢が変わった。現場からの改善提案も増えている」と佐藤社長は話す。

 賃金制度が明確になり、将来設計が立てやすくなれば、若い人材の採用についても効果があると期待している。というのも、社員の高齢化が進み、企業が成長する上で若い人材の獲得が重要課題になっているからだ。そのためにも、「ESG経営とSDGsに取り組む姿勢を前面に打ち出していく」(佐藤社長)。

産廃処理の現状を伝えたい

 NIK環境に入社するのは地元の人材が大半なので、会社のイメージアップも欠かせない。そこで本社の建屋を全面改装し、取引先や地元の人たちが訪れたくなるようなリノベーションを進めている。

 地域の幼稚園や小学校での環境教育活動も続けていく。工場内には危険な場所もあるため、現状では子供たちが自由に見学に訪れることはできないが、小学生にも環境問題や廃棄物処理などについて考えてもらえるよう、安全に工場見学ができるような施設を整えていく。

 SDGsの取り組みの情報発信も積極的に行っている。

 20年3月には、地元テレビ局の番組「高校生と見つける、私たちのSDGs」で、「環境に優しくSDGs全てを実践する企業」として紹介された。高校生たちがNIK環境を訪れ、SDGsの取り組みについて社長にインタビューをする様子や、同社リサイクルセンターを見学する様子が放映された。

■ NIK環境の環境教室
■ NIK環境の環境教室
小学校や幼稚園で開催している環境教室、工場見学や野外授業は特に人気がある
(出所:NIK環境)
■ 地域に向けた情報発信
■ 地域に向けた情報発信
地元テレビ局の取材、高校生がリサイクルセンターなどを見学した

 収集された大量のごみを見て衝撃を受けている高校生たちの純粋な反応を見て、佐藤社長は廃棄物処理の現状を、若い世代にもっと伝えていく必要があると考えたという。若い世代の柔軟な発想が新しいビジネスにつながる可能性にも期待する。