2021年策定の「Glicoグループ環境ビジョン2050」で、4つの領域から循環型社会の実現を目指す。創業の精神「事業を通じて社会に貢献する」を、環境配慮で体現する経営改革を進めている。

 江崎グリコは2022年2月11日に創立100周年を迎えた。同年3月には会長となった江崎勝久氏に代わって、長男の江崎悦朗氏が新社長に就任した。経営陣の若返りを進めながら、企業としてのパーパス(存在意義)を「すこやかな毎⽇、ゆたかな人生」と改めて定めるなど、経営改革に取り組んでいる。その一環として、環境の中長期目標「Glicoグループ環境ビジョン2050」を21年3月に策定し、資源循環型社会の実現に取り組み始めている。

 同ビジョンは①気候変動への対応・温室効果ガスの削減、②持続可能な水資源の活用、③持続可能な容器・包装資源の活用、④食品廃棄物の削減の4領域でKPI (重要業績評価指標)を設定した。海外法人を含めたグループ全社が、取引先を含むサプライチェーン全体で達成すべき目標と定めた。

■「 Glicoグループ環境ビジョン2050」の4分野とその中長期目標
■「 Glicoグループ環境ビジョン2050」の4分野とその中長期目標
4つの領域でKPIを設定し「資源循環社会の実現に向けて、企業市民としての責務を果たします」とのビジョンを掲げる
(出所 : 江崎グリコ)
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 20年4月からCSR委員会や取締役会で議論を重ねる中で、「最も重要視したのがフィージビリティだ。これらの目標数字は『本当に実現できるか』を考えて決断した。そこが我が社らしさだ」と、江崎グリコの森田裕之グループ調達部長兼CSR委員会環境部会長は強調する。

食品で唯一、水素研究にも参画

 では、4つの領域で具体的にどのような取り組みを進めていくのか。最も力を入れる①気候変動への対応・温室効果ガスの削減では、30年度までにCO₂削減量を13年度比で30%削減し、50年度までに同100%削減を目指すが、30年度の削減目標については上方修正できないか社内で議論中だ。

 基本的には社内のあらゆる設備をオール電化とし、再生可能エネルギー由来の電力を採用する。中国・上海やタイなどの海外工場では屋根に太陽光発電パネルを設置し、工場で使用する電力の約3割を賄うようにした。

 22年内に稼働予定のインドネシア工場では、同社で最大級の太陽光パネルを設置する。「国によって再エネ活用の取り組みスピードに濃淡があるため、太陽光発電を自社で導入しながら再エネ関連の政策が前進することを期待している」(森田氏)。

■ 環境ビジョンを実現するための取り組み事例
■ 環境ビジョンを実現するための取り組み事例
22年中に稼働予定のインドネシア工場の屋根に設置する太陽光パネルは最大能力2000kWと江崎グリコでも最大級だ
(出所:江崎グリコ)