企業の再生可能エネルギー活用を支える新しい挑戦に着手した。脱炭素実現に後れを取らないソリューションを用意、電源から材料開発までグリーン化を支援する。

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が「グリーントランスフォーメーション(GX)ビジネス」を本格展開している。CTCはGXを「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる『カーボンニュートラル』を実現するための社会変革」と定義する。その社会変革を自社が培ってきたデジタル技術、特にIT(情報技術)とシミュレーション技術を駆使して実現する。

 同グループは2021年度から「Beyondthe Horizon 〜その先の未来へ〜」と名付けた3カ年の中期経営計画をスタートした。この中計の開始に合わせて企業としてのマテリアリティも見直し、①ITを通じた社会課題の解決、②明日を支える人材の創出、③責任ある企業活動の実行の3つを新たに制定した。GXビジネスは、これらを同時並行的に実現していく重要施策の1つで、同社の顧客企業が脱炭素を目指すことを支援する事業と位置付け、22年4月から本格スタートした。

企業の再エネ発電を支援

 GXビジネスを展開するに当たりCTCは事業として2つの軸を用意した。1つは「再エネ導入支援サービス」で再生可能エネルギー(再エネ)電源の導入や、再エネのアグリゲーション(集約)などに必要な予測技術を提供する。もう1つが、製造業を中心に様々な産業分野で再エネ活用だけでなく温室効果ガスを減らすことが可能な、ものづくりやサプライチェーンの実現を支援する「GXアドバイザリーサービス」だ。

 再エネ導入支援サービスは、太陽光発電事業や風力発電事業を始めたいという企業に、立地調査からその土地での発電量がどれだけ望めるかの評価と、事業のリスクを洗い出してその低減を図る技術コンサルティングを提供する。CTCは従来、再エネ発電事業者や金融機関向けに日射量や風況シミュレーションなどのデータなどを提供してきたほか、発電所に設置したセンサーから取得したデータを読み解き、故障が起きそうな予兆を検知するなどのデジタル化支援を手掛けてきた。

 「当社は太陽光や風力での発電に不可欠な気象データ解析を1990年頃から開始して事業化するなど、再エネ活用がまだ一般的ではなかった時代から実績を積み重ねてきた」と、科学システム本部エネルギービジネス推進部の高木哲郎部長は説明する。

 民間の気象配信サイトを96年に日本で初めて作ったのもCTCだという。2000年頃から太陽光や風力による発電事業が徐々に広がり始めると、いち早く再エネ発電事業者の支援を事業化して進めてきた。

■ お天気ポータルサイト「WEATHER EYE」
■ お天気ポータルサイト「WEATHER EYE」
CTCは予報業務許可を受けた民間気象事業者でもある。日本初の気象予報ポータルサイト「WEATHEREYE」を立ち上げたほか、各種産業向けの気象情報サービスや天気予報番組を提供している
(出所:伊藤忠テクノソリューションズ)