日本エンヘサはグローバル企業のEHS(環境・衛生・労働安全)関連の法令順守を支援している。国のEHSコンプライアンスと製品コンプライアンスの情報を一元化し、サービスを提供する。

 環境や人権への関心の高まりの中で、2010年代半ばから、世界のEHS(環境・衛生・労働安全)関連の法令は急増し、複雑化している。EHSはEnvironment、Health andSafetyの頭文字をとった米国発の考え方で、その歴史は古い。

 1970年代、ニューヨーク州にある大手製造業の工場から地下水汚染が広がり、大きな問題になった。この事件をきっかけに、大量生産一辺倒だった米国製造業が経営レベルでのEHSマネジメントを意識しだし、取り組みが始まった。

 日本でも高度経済成長下で水俣病や四日市ぜんそくなどの問題が起きた経験から、工場における安全衛生への意識は高い。日本企業では環境と衛生・労働安全を分けて考えており、異なる部署で担当する形が一般的だが、欧米企業のEHSマネジメントは1つの部署で対応するのが一般的だ。全社レベルでのコンプライアンス徹底を目指しており、企業価値を高める取り組みをより幅広く行なっている。

 EHS法令に関するコンサルティングを専門に行なうのが、2001年に設立し本社をブリュッセルに置くエンヘサだ。その日本法人として、15年に設立されたのが日本エンヘサである。

 エンヘサは世界300以上の国・地域のEHSに関する法規制の情報を収集して、データベースに一元化している。企業がEHSコンプライアンスと化学品規制に関する製品コンプライアンスを順守・管理するためのツールを提供し、世界中で共通のコンプライアンス管理を行なうためのサポートをしている。

 「日本は国内のEHS法令に関する知見を持ち、各拠点の順守度合いを把握している企業が多い。しかし、世界の拠点全てとなると対応が遅れている。グローバル展開する製造業では特に、大きな課題となっている」とアジアパシフィック代表の加藤秀彦氏は話す。

 エンヘサの調べによると世界のEHSに関する法令の数は17年から21年の5年間に50%、アジア太平洋地域では56%増加している。新型コロナウイルス感染症の影響で、特に19年から20年にかけて大きく増えた。

■ EHS法令は年々増加傾向にある
■ EHS法令は年々増加傾向にある
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■ 法令の増加は新型コロナウイルス感染症が影響している
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出所:日本エンヘサ
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