独自の調達ガイドラインの導入などでサステナブルなコーヒーを生産し、消費者に提供する。2020年9月9日を「エシカルなコーヒーを考える日」に設定し、全国の店舗で啓発キャンペーンを実施する。

 国内に1600店近くの店舗網を持つスターバックス。「人々の心を豊かで活力あるものにするために」というミッションの下、コーヒーを通して一人ひとりの顧客と向き合いつつ、地球環境やコミュニティーへの貢献活動を続けている。

 中心に据えるのがサステナビリティへの取り組みだ。広報部Social Impactチームの酒井恵美子さんは、「サステナブルな方法で生産・調達したコーヒーをサステナブルな方法で提供し、コーヒービジネス全体を通してお客様と一緒により良い社会をつくりたい」と思いを語る。

独自の調達ガイドラインを導入

 サステナブルなコーヒービジネスの実現に向け、スターバックスではプラスチック製から紙製ストローへの切り替え、リユーザブルカップの導入、ミルクパックのリサイクルなど様々な施策を講じてきた。なかでも長年、力を注いできたのがコーヒーの「エシカル(倫理的)な調達」である。

 コーヒー豆の産地では、生産者の貧困や劣悪な労働環境、自然破壊などがたびたび問題になってきた。そこでスターバックスは、環境・社会・経済・品質などあらゆる面で責任を持って栽培され、エシカルに取り引きされたコーヒー豆を買い付けることで、生産者の生活を支援するとともに、高品質なコーヒー豆を持続的に調達しようと考えた。

 1つの方法として2004年、国際NGOのコンサベーション・インターナショナルの協力を得て、独自の調達ガイドライン「C.A.F.Eプラクティス」を導入した。

 C.A.F.Eプラクティスは、「コーヒー豆の品質がスターバックスの基準を満たすこと」「適正な価格が生産者に支払われていること」を必須条件とし、「生産者の労働環境を守り生活向上に貢献すること」「生産地の環境への影響を抑えること」について第三者機関の評価を受ける。これらの条件をクリアしたC.A.F.Eプラクティス認定のコーヒー豆には、パッケージにコンサベーション・インターナショナルのマークが付く。

 C.A.F.Eプラクティスの導入後、スターバックスは生産者の認定取得や農園管理の支援のため、主要なコーヒー生産国に9カ所の「ファーマーサポートセンター」を開設した。アグロノミスト(土壌管理と農作物生産の専門家)が生産者やサプライヤーに対し、コーヒー栽培に関する技術指導やトレーニングを行っている。13年にはコスタリカの「ハシエンダアルサシア農園」を取得し、より収益性の高い栽培方法、病害虫に強い新品種の開発、気候変動の影響を想定した栽培技術などの実践的な研究を行っている。ここで得た最新の知見や技術は世界のコーヒー生産者に提供されている。