新生アイシンが、SDGs・ESGの取り組みにより企業価値を向上させるため、脱炭素活動を加速させる。情報開示でステークホルダーとの対話を強化、社内のSDGs理解を深めるための活動にも取り組む。

 モビリティ事業やエネルギー関連事業を展開するアイシングループ。その中核であるアイシン精機と子会社のアイシン・エィ・ダブリュ(AW)が、2021年4月1日に経営統合した。

 新しい「ビジョン2030」も策定した。「感動と笑顔にあふれる社会を実現するソリューションカンパニー」を目指し、働く仲間・社会・お客様の3つの重要なステークホルダーに対して、様々な価値を提供しながらサステナビリティを推進する。

 あるべき姿を実現するため、グループ全員を巻き込みながらSDGs・ESG活動に取り組むとともに、積極的に情報発信をして企業価値を向上させる。

■ SDGs・ESGの取り組みと積極的な情報発信による企業価値の向上
■ SDGs・ESGの取り組みと積極的な情報発信による企業価値の向上
出所:アイシン

脱炭素の専門組織

 アイシンは21年8月1日、カーボンニュートラル(CN)推進センターを新設した。社長直轄の組織で、アイシングループのカーボンニュートラル(脱炭素)活動を集約する。

 CN推進センターが発足した背景には、2030年ビジョンで定めたKPIの存在がある。CO2削減に関する2030年度目標を、ライフサイクルCO2排出量削減率は13年比マイナス25%、生産CO2排出量削減率(総量)は同マイナス50%とした。

 総合企画部サステナビリティ推進室の三矢明輝氏は、「高い目標値なので、20年から取り組んでいるカーボンニュートラル活動を加速しなければ達成できない。新たな組織を設計し、CN推進センターを新設することになった」と語る。

 三矢氏は、19年10月にサステナビリティ推進室が新設された際、手挙げ制で集まった若手有志のひとりだった。「技術者として長期の目線でサステナビリティに携わっていた。もっと前を向いて仕事をしたいとの思いがあった」と動機を語る。

 CN推進センターは、社内の取りまとめや再生可能エネルギーの調達、炭素クレジットなど戦略的な取り組みを担当するCN統括部、CN技術開発部、PE・環境生技部の3つの部署からなる。

 カーボンニュートラルの達成に「減らす」「使う」「創る・集める」の3本柱で取り組むのは従来の方針と変わらないが、CO2と水素でメタン合成するメタネーションという新しい技術開発にも取り組んでいる。それによって、自動車部品に使われるアルミダイカストや鋳鉄の生産工場でのCO2削減を目指す。

 「地道な活動として省エネは大切だ。しかし、大きくジャンプするためには、『創る・集める』の新しい技術開発に取り組んでいく必要がある」と三矢氏は話す。

■ 2021年8月に新設された「カーボンニュートラル推進センター」
■ 2021年8月に新設された「カーボンニュートラル推進センター」
出所:アイシン