聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

2000年にNTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスの出資のもとで創業した。19年からはNTTグループ企業として、企業ビジョンも新たにESG経営にまい進する。

新電力大手で“老舗”でもあります。強みや特色は何でしょうか。

川越 祐司(かわごえ・ゆうじ)
エネット 代表取締役社長
NTT時代に技術畑を歩み、NTTファシリティーズ代表取締役副社長を経て、2018年6月より現職。長崎総合科学大学客員教授も務める(写真:村田 和聡)

川越 祐司 氏(以下、敬称略) NTTグループの持つICT(情報通信技術)と東京ガス・大阪ガスのエネルギー技術を融合した点にあると思います。NTTグループは太陽光発電所を、東京ガスと大阪ガスは環境負荷の低いLNG発電所を所有しているのも強みです。

 全国10電力会社エリアの特別高圧から低圧まですべての電圧をカバーし、約10万件の法人にサービスを提供しています。販売電力量は常にトップシェアを争っています。

単なる電力の提供だけでなく、多様なサービスを提供しています。

川越 例えばEnneteye®は、スマートメーターの電力使用量データなどを基に、AI(人工知能)を活用して省エネをアドバイスするサービスです。省エネ以外にも、無人店舗での電力の消費状況を分析して、照明や機械の異常を検知することが可能です。こうした取り組みが評価され、2019年度省エネ大賞では最高賞にあたる経済産業大臣賞を受賞しました。

日本でも「RE100」に加盟する企業が増えていますが、どのように対応していますか。

川越 CO2排出低減メニューである「EnneGreen」が、企業や自治体など700を超える施設で利用されています。「EnneGreen」を採用する城南信用金庫は、19年、日本の金融機関で初めてRE100を達成しました。東京都世田谷区の公共施設では、トラッキング付非化石証書を用いることで、実質的に再生可能エネルギー100%の電気をご利用いただいています。近年では、同じ再生可能エネルギーでも、「自然破壊によって建設された発電所からではないエネルギーを選びたい」といったニーズも増えており、当社ではそうしたニーズにも柔軟に対応できます。

ESG経営でグループの目標達成へ

ESGに関しては、どのような取り組みをしていますか。

川越 「環境」に関しては、事業そのものが環境負荷低減につながるほか、20年7月に「環境負荷ゼロ推進委員会」を設置してSDGsの目標達成に向けた取り組みを強めています。