川越 「社会」については、20年1月、新電力で先駆けて第三者適合性評価制度による情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得しました。さらに、各地でエネルギーの地産地消に取り組み、20年8月には兵庫県尼崎市においてNTTグループ企業や尼崎信用金庫などの間で、ゴミ焼却発電所から出るクリーンエネルギーの地産地消に関する連携協定を締結しています。

 「ガバナンス」では、「内部統制システムに関する基本方針」を定め、法令順守や効率的な事業運営などに向けた意思決定を行っています。

事業活動全体の中でのESGの位置づけを教えてください。

川越 19年、当社はNTTグループ内の再編によりNTTアノードエナジーの子会社となりました。NTTグループでは、「自らの再生可能エネルギー利用を30年度までに30%以上へ」という目標を掲げています。その目標達成へ向けた4つの柱のうち、「グリーン電力の推進」「ICT技術の社会負荷の低減」については、当社のミッションに合致しており、グループの目標達成に向けて貢献していきます。

19年は20周年に向けて企業ビジョンを制定しました。

川越 当社は、株主各社からの出向社員やプロパー社員など、様々な社員が集まっています。そうした状況の中で、思いを1つにするには使命や行動指針が大切です。そこで、20周年を迎えるにあたり、改めて企業ビジョンを制定することにしました。策定に際しては、将来を担う30代の社員10人にも参加してもらい、広く社員の声を聞いています。

■ エネットの企業ビジョン
会社の存在価値としての「使命」、当面の「めざす姿」、それらを実現するための「行動指針」からなり、若手を含めたチームによって2019年に策定された。行動指針の詳細は、「エネットの『あたりまえ』」として、コミュニケーション、チャレンジ、スピードの3カテゴリを掲げており、「主体的な考え・行動の実践(随所作主 立処皆真)」「会議の効率化(主体的な参画 一発言以上)」など具体的に明示している
(出所:エネット)

新電力を取り巻く情勢を、どのように考えていますか。

川越 コロナの感染が急速に拡大した20年4月から5月は、法人の経済活動が低下したために、対前年度比5~10%減少という苦しい時期が続きました。幸い、夏になって法人の活動が戻るとともに、猛暑になったことで電力消費は回復しています。

 中長期的に見ると経済の停滞や省エネの進展によって、日本の電力消費量は徐々に減少する傾向にあります。一方、ICTの進展によってデータセンターでの電力消費拡大が予想されるほか、海外生産拠点の国内回帰が進めば電力の消費も増えていくでしょう。こうした状況において、当社では、よりクリーンなエネルギーのニーズに応え、さらなる社会への貢献を目指していきます。