新時代への意識改革が必要

ESGに配慮した経営をどのように位置づけていますか。

川合 環境、社会、ガバナンスの各分野で優先的に取り組む8つの項目を選定し、その多くに数値目標を設定しました。例えば環境分野の「環境に配慮して設計した製品の提供」という項目では、高効率な貴金属プラグの販売比率を50%以上にするのが目標です。社会分野では燃料電池の開発や鉛を使わない圧電材の開発、ガバナンス分野では取締役の女性・外国籍比率を30%以上にするなどの目標を設定しています。年2回開催するCSR・サステナビリティ委員会で、社外取締役を含めてその進捗や社会に対する貢献を確認していきます。

「2030長期経営計画」達成のための施策として、経営革新と風土・意識改革などをあげています。

川合 経営革新については、当然ながらデジタルトランスフォーメーション(DX)に注力していきます。当社ではいまだ、工場によって管理システムが異なることがあります。経営判断に支障をきたさないよう、早急に改善を進めています。

 風土や意識という点でいうと、自動車関係の事業が安定しているため、当社の社員は現状を守って強くするのは得意ですが、新しいものをつくるのが少し苦手です。新規事業の展開にあたってはそうした意識を改革することが必要であり、カンパニー制や分社化も含めて、事業ごとに権限や責任を明確化していくことを考えています。

目指すべきところを山の頂上とすると、現在は何合目でしょうか。

川合 3合目程度という印象です。来期スタートする新しい中計では、風土・意識改革や経営革新の土台づくりを目指しています。土台さえできれば、次の世代がいろいろな選択肢を持つことができ、面白い会社に変わると考えています。今あるものを変えるには、従来の常識を壊すことが必要です。つくる役割の人も大切ですが、壊す役割の人間も欠かせないと感じているところです。