ストラクチャリング・エージェントとしてSDGs債発行支援トップの実績を誇る。起債を通じて投資家に的確なメッセージを発信、企業のESG経営を支援する。

 ESG経営を推進する企業にとって、今やSDGs達成への貢献は不可避の経営課題となった。その中でSDGsに関係する事業を推進するための資金調達方法として、SDGs債の発行が急増している。

SDGs市場は約1.4兆円に

 SDGs債とは、資金使途をSDGsに関連する事業に絞った債券である。環境改善を図る事業を対象とする「グリーンボンド」、社会貢献事業を対象とする「ソーシャルボンド」、環境・社会貢献の両方を目的とする「サステナビリティボンド」がある。

 これまではSDGs債の多くをグリーンボンドが占めていた。2020年に入り新型コロナウイルス感染拡大で投資家のソーシャル面への関心が高まり、ソーシャルボンドやサステナビリティボンドの発行も増えている。

 19年度のSDGs国内債の発行額は1兆2579億円で、前年度から2.5倍に拡大した。20年度は10月までで既に1兆3929億円に達している。「起債準備中の案件の中にも日常的にSDGs債が並ぶ。投資家から企業に対しても『SDGs債を発行する意図はあるか』という質問が当たり前のように投げかけられる。SDGs債は国内債マーケットに完全に定着した」とSMBC日興証券グローバル・キャピタル・マーケット本部のチヴァース陽子SDGsファイナンス室長は現状を分析する。

■ 国内におけるSDGs債発行額の推移
■ 国内におけるSDGs債発行額の推移
※ SDGs債券=グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンドの合計で、2016年以降を集計したもの。本邦発行体による外貨建ESG債を含む。発行額は1米ドル 105円、1ユーロ122円、1豪ドル74円として円に換算。2020年10月30日現在
(出所:Bloombergのデータを活用してSMBC日興証券が作成)

 そのSDGs債マーケットで存在感を高めているのがSMBC日興証券だ。19年度には20件の起債に携わり、SDGs債発行を支援するストラクチャリング・エージェントとして実績を挙げた。主幹事を引き受けたSDGs債も67件とトップに立つ。

専門部隊で起債をサポート

 SMBC日興証券が属する三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は現在、経営の中心にサステナビリティを据えている。

 20年4月、世界が直面する様々な課題の解決に向けて、社会においてSDGsやESGへの関心が高まっているとして経営理念を改定した。「社会課題の解決を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する」という新たな文言を追加した。