同時に、持続可能な社会の実現を目指す基本姿勢として、「SMBCグループ サステナビリティ宣言」を公表した。これに基づいて、30年までの10年間の計画「SMBC Group GREEN×GLOBE 2030」を策定し、20年度から29年度のグリーンファイナンス実行額を10兆円とする目標などを掲げた。

■ SMBCグループのサステナビリティ宣言
サステナビリティ宣言とSMBC Group GREEN×GLOBE2030の策定により、サステナビリティの推進加速を表明
(資料提供:SMBC日興証券)
■ SMBC Group GREEN ×GLOBE 2030の重要経営指標(一部抜粋)

 この目標達成のための先兵と期待されるのが、SMBC日興証券のSDGsファイナンス室だ。

 同室は18年9月、金融・資本市場でのビジネスを通じて環境・社会課題を解決する専門部署として、資本市場本部内に新設された。ESGに詳しい専門家、SDGs債の取り扱い経験者らが、企業のSDGs債発行のサポートを行っている。

環境省主催の第1回ESGファイナンス・アワードで、証券会社としては最高位となる環境大臣賞を受賞。
 写真左/SMBC日興証券グローバル・キャピタル・マーケット本部長常務執行役員・吉良俊志氏、右/小泉進次郎環境大臣
(写真提供:SMBC日興証券)

 SDGs債の起債は、当該プロジェクトを推進する部署やサステナビリティ関連部署との調整、外部評価機関からの認定取得、行政機関への補助金申請など、通常の債券よりも手続きが煩雑になる。初めてSDGs債を起債する企業は、何から着手すべきか分からないという悩みを抱えることが多い。SDGsファイナンス室はSDGs債のフレームワーク構築を支援すると同時に、それらの調整も一手に請け負う。投資家開拓の戦略立案、メディア対応、発行後の事業進捗状況の報告など、SDGs債にまつわる業務を幅広く支援する。

 SDGs債の発行は企業にとって、投資家に対してESGやSDGs貢献に積極的な経営姿勢をアピールするチャンスでもある。「起債を通じて、ESGやSDGs達成に向けた取り組みや社会貢献への思いなど、発行体が伝えたいメッセージを的確に発信し、投資家の理解・評価を得ることを重視しながら活動を進めている」とチヴァース室長はSDGsファイナンス室の方針を説明する。

 環境省がESG金融の普及・拡大に向けて創設し、20年2月に発表した第1回「ESGファイナンス・アワード」の金融サービス部門で、SMBC日興証券は証券会社としては最高位の環境大臣賞を受賞した。ボンド部門でも、ストラクチャリング・エージェントと単独主幹事を務め、19年7月に発行した明電舎のグリーンボンドが同じく環境大臣賞を取得するなど、その取り組みは外部からも高い評価を得ている。

「本命」電力債は4.3倍の人気

 SMBC日興証券が発行を支援したSDGs債は、先駆的で市場の注目を集めるものが多い。

 代表例の1つが、20年2月に東北電力が発行したグリーンボンドだ。パリ協定の発効で世界は脱炭素化実現に向けて動き出している。日本でも、10月に菅義偉首相が就任後初の所信表明演説で、「50年までに温室効果ガス実質排出ゼロ」とする目標を掲げた。今後はその実現のため、再生可能エネルギーを主力電源化する取り組みの加速が求められる。