「エシカルコンビニ」を常設

 現在、展示スペースのおよそ半分を、SDGsに関連する商品、エシカルな商品を集めた「エシカルコンビニ」に提供している。これまでポップアップストアなどを期間限定で出店していたエシカルコンビニの、初めての常設店舗だ。

 洗って繰り返し利用できる食品用保存容器、使用時にマイクロプラスチックを発生しない台所用スポンジ、広島に贈られた折り鶴の再生紙を利用した扇など、生活者が社会課題と向き合い、サステナブルな暮らしを送るための気付きを得られるような商品が並ぶ。

展示スペースの約半分を占めるエシカルコンビニには、SDGsに関連する商品やエシカルな商品が並ぶ<br><span class="fontSizeS">(写真:伊藤忠商事)</span>
展示スペースの約半分を占めるエシカルコンビニには、SDGsに関連する商品やエシカルな商品が並ぶ
(写真:伊藤忠商事)

 企画展やエシカルコンビニが紹介する商品の中には、ワインの製造の際に発生するブドウの絞りかすから作る「グレープシードオイル」や代替肉の「大豆ミート」など、伊藤忠商事グループの取扱商品もある。

 梅本氏は、「あくまでもテーマに合う商品として選定されており、当社の事業のみを紹介する場ではない」と強調する。

高校生とのリモート座談会も実施

 一方の収録・配信ブースも、記者発表、オンラインセミナー配信など多様な活用が進む。毎月第4日曜日22時から放送中のラジオ番組「J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE」の収録がその1つだ。

 タレントのSHELLY氏がナビゲーターとなり、森泉氏、AI氏など著名なゲストとともにSDGsをテーマに語り合う。

収録・配信ブースでは月1回、SHELLY氏がナビゲーターを務めるラジオ番組を収録するほか、記者会見やオンラインセミナーなども行われる<br><span class="fontSizeS">(写真:伊藤忠商事)</span>
収録・配信ブースでは月1回、SHELLY氏がナビゲーターを務めるラジオ番組を収録するほか、記者会見やオンラインセミナーなども行われる
(写真:伊藤忠商事)

 プラスチックフリーの活動に取り組む高校生約50人とのリモート座談会も開催した。伊藤忠商事はファミリーマートなどと共同で、長崎県対馬市に漂着した海洋プラスチックゴミを原材料の一部に使用した買い物かごを開発している。

 その取り組みを知った地元の高校生からの要望で、5月にスタジオと高校をオンラインでつなぎ、化学品部門の担当者と環境問題、プラスチック問題を議論する場を設けた。梅本氏は、「SDGsスタジオというプラットフォームがあったからこそ、依頼にすぐ対応し、実りある情報交換ができた」と振り返る。

 開設から約半年で、SDGsスタジオへの来場者は累計1万人を超えた。公式インスタグラムのフォロワーも4500人を超え、その数は日に日に増えている。梅本氏は、「私たちの役割はSDGsやサステナビリティに向き合う方たちの思いや理念の実現を支援することにある。皆さまから意見や要望をいただく機会も増えている。この輪を広げれば、売り手・買い手・世間にとっての “三方よし”が実現できる」と語る。

 もう1点、梅本氏がスタジオ開設の意義を感じているのが、伊藤忠商事社員のSDGsに対する意識喚起だ。「展示を見たよ」「あの内容は良かったね」といった声が直接届くようになった。SDGsに取り組むモチベーションも上がっている。

 「今後もスタジオを盛り上げながら、SDGs達成に一層の貢献をしたい」と梅本氏は話す。各種の記念日にちなんだ企画展の開催や次世代を担う子供・学生との交流・情報交換に、より力を入れていくという。