2021年9月に稼働を始めた安川テクノロジーセンタ(YTC)で、脱炭素化への取り組みを加速する。環境に配慮した製品の販売で、自社CO2排出量の100倍以上の削減貢献を目指す。

 安川電機は1915年の創業以来、「モーターとその応用」を事業領域に、最先端の製品・技術で産業を支えてきた。そして2021年9月、新たな技術開発拠点として本格稼働を始めたのが、安川テクノロジーセンタ(YTC)だ。

 YTCは本社のある福岡県北九州市の八幡西事業所内に構える。生産・業務本部環境推進部長の大場秀典氏は、「これまでロボット、インバーター、サーボモーターなどの製品は各事業部が別々の拠点で開発を行っていたが、重複する技術を複数の事業部が開発するなど非効率な面があった。要素技術、生産技術を含む技術開発機能を集約し、無駄を省きつつ、企画から生産までのスピード向上を図った」とYTC設立の狙いを説明する。

社内外で連携を強化

 同社は17年、ソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を打ち出した。デジタルデータを活用しながら、integrated(統合的)、intelligent(知能的)、innovative(革新的)の3つのステップで生産性の向上や品質の安定を実現し、顧客企業の課題を解決するという発想である。

 このコンセプトに沿って社内もintegratedな組織にするべく、18年に営業体制を一本化し、19年には生産体制の統合に向けた取り組みを開始した。最後に残った技術分野の統合のために立ち上げたのがYTCだ。

 安川電機はYTCを社外の産官学やベンチャー企業などと連携する、オープンイノベーションの場としても活用する。特にコア技術であるモーション制御、ロボット技術、パワー変換については、外部企業や大学と共創する環境をつくり、革新的な技術の創出につなげる考えだ。

 大場氏は、「いずれも省エネに有効な技術。YTCの稼働によって、脱炭素化に向けた当社の取り組みをさらに加速できる」と意義を語る。

■ 事業横断による開発体制を実現した安川テクノロジーセンタ(YTC)
■ 事業横断による開発体制を実現した安川テクノロジーセンタ(YTC)
■ 事業横断による開発体制を実現した安川テクノロジーセンタ(YTC)
本社のある八幡西事業所内に構えたYTC。要素技術開発機能、ロボット、インバーター、サーボモーターなどの製品開発機能を集約した。産官学やベンチャー企業など社外の知見も結集し、革新的な技術の創出を図る(出所:安川電機)

生産活動と製品でCO2削減

 YTCの建屋も、環境に配慮した造りとした。屋上に自社のパワーコンディショナーを含めた太陽光発電設備を備え、さらに電力会社から再生可能エネルギー由来の電力を調達することで、使用電力を100%再エネ化した。内装材には九州地区内で発生した廃棄物を利用した素材を使用している。

 建設に当たっては、「対外的に環境への取り組みをアピールする機会」(大場氏)と、初のグリーンボンド発行に挑戦し約100億円を調達した。