米国の「パリ協定」復帰が濃厚となり、日本は脱炭素を宣言した。日米のトップ交代で気候変動政策は急加速を始める。ESGのあらゆる領域で大転換が訪れる2021年、企業はどう動けばいいのか、本誌が徹底予測する。

 2021年がスタートした。新型コロナウイルスの感染拡大で世界が「新常態(ニューノーマル)」へと向かう中、持続可能な社会の構築が待ったなしとなっている。21年は、ESGのあらゆる領域で国や企業の取り組みが一気に加速する。米国の「パリ協定」復帰をはじめ、企業の経営に影響を与える動きが目白押しだ(下の表)。大転換の1年になるのは間違いないだろう。

■ 2021年に予定されているESG関連の動き
■ 2021年に予定されているESG関連の動き
米国の「パリ協定」復帰をはじめ、2021年もESGを取り巻く動きから目が離せない。この1年間に企業が押さえておくべき動きを紹介する
※『日経ESG』(2月号)では1~12月までのさらに詳しいカレンダーを掲載しています
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「脱炭素」と「脱使い捨て」が両輪で進む

 まず何を置いても、「脱炭素」が産業構造をも変える大きなうねりとなっている。日本でも、20年10月に菅義偉首相が50年に温室効果ガス排出の「実質ゼロ」を目指すと宣言した。政府は12月に、実質ゼロへの工程表に当たる「グリーン成長戦略」をまとめている。米国のジョー・バイデン次期大統領による気候変動政策の転換を見越したような形だが、企業の経営戦略も見直しを迫られるのは必至だ。

 とりわけ、CO2排出に課金する「炭素価格」の動向は注視する必要があるだろう。政府は脱炭素へ向けて、企業に排出上限を設定し、過不足分を売買する排出枠取引制度などを本格的に検討するとみられる。導入された場合に備えて、CO2排出の多い事業を展開する企業は、炭素価格のコスト負担を抑えられるように再生可能エネルギーを導入するなどして排出を減らしておくことが重要だ。事業ポートフォリオの再構築も検討課題となる。