新型コロナウイルス禍以降、「パーパス(存在意義)」に立ち返る企業が増えている。この会社は何のためにあるのか、この会社でなぜ働くのか──多様な人材の力を引き出し、持続的成長を実現するには明確なパーパスが欠かせない。

 「パーパスをステークホルダーとの関係の基盤と位置付けることが、長期的な成功の鍵となる」──。2022年1月に公表された米ブラックロックのラリー・フィンク会長兼最高経営責任者(CEO)による書簡「フィンク・レター」にはこんな一文が書かれている。

 フィンクCEOが投資先企業に毎年出すこの書簡は多くの投資家や経営者が注目しており、ここ数年は継続してパーパスに言及し、経営における重要性を訴えている。

世界のCEOの6割がパーパスを重視

 パーパスは企業の存在意義を意味しており、新型コロナウイルス禍を契機に、世界の経営者がパーパスに立ち返るようになっている。例えば、KPMGが21年7~8月に11カ国11業界のCEO1325人に対して実施した調査では、次のような結果が出ている。

 企業の目的は、「すべてのステークホルダーに長期的価値を創造するためにあらゆる活動にパーパスを組み込むこと」と回答した割合が64%に上った。「社会的利益を増やし、社会を改善すること」(22%)「株主に経済的リターンを提供すること」(13%)を大きく上回る。日本企業に限ると7割超がパーパスの実現を目的としており、コロナ前から約30ポイントも増えたという。

■ 世界のCEOがパーパスを重視
■ 世界のCEOがパーパスを重視
企業の目的は、すべてのステークホルダーに長期的価値を創造するためにあらゆる活動にパーパスを組み込むことと回答した割合
(出所:「KPMG グローバルCEO 調査2021」(KPMG))