資源循環を経済成長につなげるサーキュラーエコノミーの実現に向けた国や企業の動きが活発になってきた。持続可能な資源の利用は、資源や廃棄物問題への対策にとどまらず、競争優位性を築き、投資家の評価も獲得する将来の成長戦略となる。

 今年の夏も、豪雨災害や熱波による山火事など気候変動の影響と見られる自然災害が世界で相次いでおり、温暖化対策の強化は待ったなしである。脱炭素へ向けて、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの導入や省エネに取り組む企業は多いが、再エネの導入はコスト増になるなど、これらの対策は「守り」の側面が強い。

 これに対して、CO2の排出を削減しながらビジネスを拡大する「攻め」の対策として注目を集めるのが、サーキュラーエコノミー(循環経済)だ。サーキュラーエコノミーを推進するオランダのNPOサークルエコノミーが公表した21年の報告書によると、サーキュラーエコノミーによって世界の温室効果ガス排出量を39%削減できるという。

循環経済銘柄に投資マネー

 脱炭素にも有効なサーキュラーエコノミーの実現を目指して、日本政府も本格的に動き出している。

 経済産業省と環境省は今年1月、「サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス」を公表した。企業の情報開示や投資家とのエンゲージメント(建設的な対話)を促進するポイントを示し、サーキュラーエコノミーに貢献する企業に投資家の資金が流れるようにするのが狙いだ。

 ガイダンス策定の背景として、既にサーキュラーエコノミーをテーマにしたファンドが組成されていることが挙げられる。例えば、野村アセットマネジメントの投資信託「野村ブラックロック循環経済関連株投信」は、昨年8月の運用開始以来、純資産総額が1000億円を超えるヒット商品になっている。

■ サーキュラーエコノミーに関する日本政府の最近の動き
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