プラスチックごみ問題の解決に取り組む企業に投資マネーが流れ始めた。野村證券は「サーキュラーエコノミー」銘柄で構成するファンドを発売し、個人投資家から900億円超を集めるヒット商品になっている。

 プラスチックごみ削減への貢献が企業価値に大きく影響し始めた。世界最大の資産運用会社の米ブラックロックは、リサイクルや代替素材の開発といったサーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に貢献する企業で構成するファンドを新設した。野村證券は2020年8月、このブラックロックのファンドに投資する個人投資家向けのファンド(投資信託)「野村ブラックロック循環経済関連株投信(ザ・サーキュラー)」を発売し、既に950億円を集めている。

 世界的な課題になっているプラスチックごみ問題は、サーキュラーエコノミーの主要テーマの1つだ。課題解決に貢献する事業は今後、大きな成長が見込まれる。米アクセンチュアの予測では、サーキュラーエコノミー関連事業による経済効果は、30年に4.5兆ドル(約470兆円)に拡大する。

 アクセンチュアビジネスコンサルティング本部サステナビリティグループ統括マネジング・ディレクターの海老原城一氏は、「サーキュラーエコノミーの市場拡大が見込まれる背景には、資源価格の高騰、消費者意識の変化、技術の進化の3つがある」と言う。

「サーキュラーエコノミー」銘柄の株価が5年で5倍に

 ザ・サーキュラーの投資対象となっているブラックロックのファンドに組み入れられている企業は45社ある。ザ・サーキュラーを設定した野村アセットマネジメントアドバイザリー運用部の上妻浩シニア・ポートフォリオ・マネージャーは、「サーキュラーエコノミーに先行して取り組んだ企業は今後大きな収益を期待できる」と言う。プラごみ問題の解決に関わる1社が、ノルウェーのトムラ・システムズだ。廃棄物の回収機や選別機の製造・販売を手掛けており、株価はこの5年間で約5倍になった。世界で約7割のトップシェアを握る自動選別機の事業は、年間2桁成長を続けているという。

 日本国内で自動選別機を販売するトムラソーティング(埼玉県さいたま市)の河口昌伸代表取締役代行は、「最近、一番問題になっているのが、プラごみの処理だ。今まで中国に輸出していたプラごみを国内で処理しなければならなくなり、自動選別機の需要は増えている」と話す。