日経ESG2021年1月号(2020年12月8日発行)の特集は「再エネの主力電源化」。2050年のCO2排出実質ゼロ実現に向けた方策の1つが、国内のCO2排出量の約4割を占める電力部門の脱炭素化だ。化石燃料を使用する火力発電所の比率を減らし、太陽光や風力などの再生可能エネルギー由来の電力を増やす必要がある。再エネ主力電源化への課題と、再エネ電力の活用にまい進するソニーなどトップランナー企業の取り組みを追う。

 日本もようやく脱炭素化に向けてギアを上げる時が来た。東芝は石炭火力発電所の新規建設から撤退し、2022年度までに再エネ事業に大規模投資すると発表した。風力発電設備の国産化などに取り組み、再エネ電力のインフラ事業を成長の柱にするという。この他にも東京電力や関西電力などの大手電力会社をはじめ、通信大手のNTT、エネルギー大手の東京ガスなどが相次いで再エネ事業の強化を打ち出している。

 実は再エネの主力電源化は、18年に公表された政府の第5次エネルギー基本計画で既に指針が示されていた。30年度に電源構成の再エネ比率を22~24%に高める計画だが、これでは50年のCO2排出実質ゼロの実現は難しいという見方が強い。

東京ガスが2020年2月に買収した群馬県の安中市太陽光発電所。6万3200kWと関東地方最大規模の出力を持つ(写真:東京ガス)
東京ガスが2020年2月に買収した群馬県の安中市太陽光発電所。6万3200kWと関東地方最大規模の出力を持つ(写真:東京ガス)

 再エネ電力の大量導入の切り札と期待されているのが、洋上風力発電である。19年4月に再エネ海域利用法が施行され、事業化へのプロセスが明確になった。20年7月には梶山弘志経済産業大臣が「30年までに1000万kW、40年にかけては3000万kWを超える規模の見通しがあれば、思い切った投資ができる」と発言したことで業界の期待感は一気に高まった。「50年に9000万kW、陸上風力と合わせれば1億3000万kWが可能」と、業界はさらに強気な目標を掲げる。