2021年3月末、世界経済フォーラムが男女格差の度合いを示す「ジェンダー・ギャップ指数」を発表した。日本は、世界156カ国中120位という結果になり、昨年(121位)同様に低迷が続いている。要因の1つが、企業で女性の役員や管理職が少ないことだ。

 ジェンダーダイバーシティは、企業の持続的成長に欠かせない要素になっている。経営に多様な視点を取り入れることがリスクの低減やイノベーションの創出につながるとされ、投資家も企業にダイバーシティを強く求めている。女性取締役が1人もいない企業に対して、トップの選任に反対する投資家も増えている。

 日本企業はどうすれば女性役員を増やせるのか。ダイバーシティを推進している欧米企業の取り組みは、その参考になるだろう。

 パソコン世界大手、レノボ・グループは20年、世界で女性役員の割合が21%になり、20%としていた目標を達成した。CDO(チーフ・ダイバーシティ・オフィサー)を務めるカルビン・クロスリン氏に、女性幹部の育成について聞いた。

レノボ・グループはなぜダイバーシティを重視しているのですか。経営にどのような影響があると考えていますか。

クロスリン 氏(以下、敬称略) 大きく3つの要素があります。

 1つ目は、事業のパフォーマンス向上です。ある研究結果では、企業のダイバーシティが増すと市場シェアが45%拡大することが示されています。

 2つ目として、ダイバーシティはブランドの評判を高めることにつながります。特に、ミレニアル世代に代表される若年層の54%は、企業はダイバーシティを含めた社会課題にしっかり対応していかなければならないと考えています。

 3つ目は、人材の獲得です。新卒の若い人たちは自分の考えに合う企業に入る傾向が強まっています。ダイバーシティは、優秀な人材の獲得や離職の防止にも重要です。

カルビン・クロスリン 氏
レノボ・グループ CDO(チーフ・ダイバーシティ・オフィサー)。データ・センター事業(DCG)の人事トップとして、グローバルでのDCGのHR(人的資源)戦略を先導。テック業界で30年以上に及ぶ人事の経験を持つ。STEM(科学・技術・工学・数学)教育の普及と、行政サービスが十分に与えられていない多様なコミュニティを援助するためにレノボが設立した慈善財団Lenovo Foundation(レノボ・ファウンデーション)のプレジデントも務める
(写真:レノボ・ジャパン)