孤独な環境での振る舞いを指導

20年にジェンダーと人種的・民族的マイノリティの平等に関する目標を達成しました。どんな取り組みが寄与したのですか。

クロスリン 能力のある人たちを戦略的に雇い、経営幹部の育成コースに参加させて役員まで引き上げました。その中で重要なプログラムが2つあります。「女性リーダーシップ開発プログラム」と「モザイクリーダーシップ開発プログラム」です。

 女性リーダーシップ開発プログラムは14年に開始しました。毎年20~30人が受講し、コースを修了した人の42%が役員に昇進しています。

 このプログラムの成功を受けて、17年にモザイクリーダーシップ開発プログラムを始めました。米国で伝統的に過小評価されている人種や民族、LGBTQ(性的マイノリティ)、障がい者、退役軍人などから、毎年6~8人が参加しています。これまでに、参加者の7%が役員に昇進しています。

 これらのプログラムで特徴的なのが、対象者が昇格時に直面する独特の課題に特化して育成・指導していくことです。

 例えば、大勢の人が部屋に集まったときに女性が1人だったということがあるでしょう。そうした環境で、どうやって自分のアイデアを言うか、どう振る舞うか、孤独を感じずにどうやって組織にうまくなじんでいくか──について、指導役の先輩幹部と一対一で話し合います。どうやって対応すればいいのか、ベストプラクティスも共有します。

 私自身、2年前にモザイクリーダーシップ開発プログラムに参加し、約6カ月後に役員に昇進しました。

21年1月にCDOに就任され、これからどんなことに重点的に取り組んでいきたいですか。

クロスリン ビジネスへのインパクトを重視していきたいです。ダイバーシティが、生産性の向上やイノベーションの創出につながっているかどうか、具体的な目標を設定して計測しようと考えています。

本インタビューの詳細は、2021年5月8日発行の「日経ESG」(6月号)に掲載する予定です。