起業家のイーロン・マスク氏による米ツイッターへの敵対的買収について4月25日、同社経営陣が受け入れて成立へと向かっている(関連記事を読む)。買収額は約440億ドル(約5兆6000億円)に上る。M&A(合併・買収)が多い米国においても、この買収劇はまさに異例なことばかりと言える。その1つは、提案からわずか12日での成立。当初、同社経営陣は反対姿勢を見せたが、一転同意した。日本では東芝(時価総額約2兆円)の再建問題を巡り、数年を要している事態と比べると、そのスピード決着のすごさが分かるだろう。

5月2日、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された「METガラ」に参加したイーロン・マスク氏(写真:ロイター/アフロ)
5月2日、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された「METガラ」に参加したイーロン・マスク氏(写真:ロイター/アフロ)

 2つ目は資金調達。マスク氏は金融機関と交渉し、255億ドルの融資、210億ドルの投資を個人で調達するめどをつけた。自身が創業し、CEO(最高経営責任者)を務める米テスラ株を担保、あるいは一部売却した。これから共同出資者を募ると見られるが、個人で資金交渉をして、合意にまで至った例はかなり珍しい。
 3つ目は、上場廃止による非公開化をして、未上場で経営をすること。マスク氏がツイッターの臨時CEOとなると報じられてもいるが、いずれにしろ未上場企業は情報開示が限られる。経営再建の過程で、利用者や取引先はツイッターの機能や規約の改善は実感できても、経営状態について知ることには制限がある。マスク氏は再上場の可能性も口にしてはいるが、詳細は明らかではない。