キリングループが「パーパス・ブランディング」の取り組みを広げている。午後の紅茶の新商品では「しあわせ」をキーワードに顧客基盤の強化を狙う。

 キリンビバレッジは2021年6月、「キリン午後の紅茶 for HAPPINESS 熊本県産いちごティー」を全国で発売した。熊本県産のいちご「ゆうべに」と紅茶葉を使用し、限定50万箱を販売する。午後の紅茶は、国内の紅茶飲料市場シェアで約5割を占める同社の旗艦商品である。キリングループは、成長戦略の一環として「パーパス・ブランディング」を強化しており、午後の紅茶では「いつでもお客様に幸せなときめきを届ける」というパーパスの実現に向けて活動を展開中だ。

2021年6月に発売した「キリン午後の紅茶 for HAPPINESS 熊本県産いちごティー」。原料の一部に熊本県産のいちごと紅茶葉を使用した<br><span class="fontSizeS">(写真:キリンビバレッジ)</span>
2021年6月に発売した「キリン午後の紅茶 for HAPPINESS 熊本県産いちごティー」。原料の一部に熊本県産のいちごと紅茶葉を使用した
(写真:キリンビバレッジ)

8割が「人の役に立ちたい」

 環境や社会課題の解決と事業の成長を両立させるCSV(共有価値の創造)を基軸に事業の成長を目指すキリングループ。清涼飲料事業を手掛けるキリンビバレッジは、「健康」「環境」「地域社会・コミュニティ」の3つの領域でブランド価値の向上を狙う。今回の新商品は「地域社会・コミュニティ」への貢献を顧客に伝えていく。16年の熊本地震で被災した地域の支援を目的とし、商品の原料に地元の農産物を使用する他、売り上げ1本当たり3.9円を寄付する。寄付金は、熊本県の災害復興支援、農産物のブランディング支援、南阿蘇鉄道の全線開通に向けた支援、子供の交流や教育環境の整備──に充てる。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を受けて、社会の連帯意識が高まっていることも背景にある。電通が20年に実施した調査によると、「人とつながりたい」「人の役に立ちたい」という人がそれぞれ50%、78%に上ったという。熊本県の蒲島郁夫知事は、「熊本県は、熊本地震、新型コロナウイルス、昨年の豪雨災害の三重苦に見舞われている。農林水産業もコロナの影響で売り上げの減少が生じており、熊本応援いちご午後ティーの発売や1本当たり3.9円の支援は、県民にとって大きな励みになる」と話す。

2021年5月下旬に東京都内で開催された新商品発表会。左から、キリンビバレッジの加藤麻里子氏、山田雄一執行役員、イメージキャラクターの深田恭子さん、熊本県の蒲島郁夫知事<br><span class="fontSizeS">(写真:キリンビバレッジ)</span>
2021年5月下旬に東京都内で開催された新商品発表会。左から、キリンビバレッジの加藤麻里子氏、山田雄一執行役員、イメージキャラクターの深田恭子さん、熊本県の蒲島郁夫知事
(写真:キリンビバレッジ)