ユーグレナが開発したバイオ燃料を使って初めて民間の航空機が飛んだ。量産化を進めて2025年には石油由来燃料と比べてそん色ない価格を目指す。

 2021年6月29日午前11時、鹿児島空港を飛び立った小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」は約90分間の飛行後、羽田空港に着陸した。この航空機に積まれていたのは、廃食油と藻類のミドリムシ(ユーグレナ)から作られたバイオ燃料だ。燃料を開発したユーグレナの出雲充社長と永田暁彦副社長が、記念すべき国産バイオ燃料の初フライトに搭乗した。

 6月29日は、英国の人気ロックバンド「ザ・ビートルズ」が今から55年前の1966年に初来日した日でもある。メンバー4人が法被をまとってタラップを降りてきた当時の様子になぞらえ、出雲社長らも法被姿で会場に現れた。

ホンダジェットから法被姿で現れたユーグレナの出雲充社長
ホンダジェットから法被姿で現れたユーグレナの出雲充社長

もう「飛び恥」とは言わせない

 「ようやく、ユーグレナのバイオ燃料で民間の飛行機を飛ばすことに成功した。今日から、もう『飛び恥』という言葉は使わせない。2050年『CO2ゼロ』を目指して取り組みを力強く進めていきたい」

 壇上で出雲社長は力強く宣言した。気候危機が叫ばれ、世界が脱炭素社会を目指す中、CO2を多く排出する航空機で移動することにうしろめたさを感じる「飛び恥」という言葉が生まれた。欧州では移動手段を航空機から鉄道に替える動きも広がっている。

 電気自動車への移行が進む自動車と違い、航空機はその重量や航続距離などの点から電動化が難しいとされる。飛行時のCO2排出を劇的に減らすためには、燃料を石油由来燃料から植物由来のバイオ燃料に転換することが欠かせない。

 世界の環境や食料問題を解決するために設立したスタートアップ、ユーグレナは10年にバイオ燃料の共同研究を開始した。冷ややかに見る向きもある中、粘り強く開発を続け、11年越しで民間航空機での初フライトにこぎつけた。

民間の航空機として初めてユーグレナのバイオ燃料を使って飛行した小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」<br><span class="fontSizeS">(写真:ユーグレナ)</span>
民間の航空機として初めてユーグレナのバイオ燃料を使って飛行した小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」
(写真:ユーグレナ)