3つ目は、日本人及び日本関係者の保護・救出の在り方だ。20年前のテロの時もニューヨークだけでも多くの駐在員や居住者、旅行者がいたが、在ニューヨーク日本国総領事館からはホームページ1つをとっても、保護に関する情報発信も、更新も少なく、多くの邦人関係者が日系企業のオフィスに駆け込むなどして支援を求めた。当時、緒方氏は「日本のために現地で様々な人々が働いている。日本からの駐在員だけではなく、フリーの立場の在住者や関係する外国人なども幅広く保護してほしい。そうではないと救われない気がする」と政府に幅広くきめ細かい対処を求めていた。

 今回のアフガニスタンからの救出を巡っても、現地には500人の関係者がいるとして、早期の国外退去を望む声が強い。だが当初、日本から送った自衛隊の輸送機では国外退去は8月28日時点で1人にとどまった。SDGs(持続可能な開発目標)がうたう「誰一人取り残さない」の精神から見ても、余りにも寂しい結果である。

 「日本国内にいる日本人のことだけを考える思考から脱却してほしい」。20年前の緒方氏の言葉から、今こそ前進するべきではないだろうか。