ESGブランド調査2020取材班

約2万人にESGの視点から企業のブランドイメージを聞く「ESGブランド調査」。2000年から継続してきた「環境ブランド調査」の対象範囲を「環境(E)」だけでなく、「社会(S)」や「ガバナンス(G)」まで広げ、「インテグリティ(誠実さ)」の項目を加えた。第1回の調査結果は「トヨタブランド」の強さが際立った。トップの発信力が高いブランドイメージにつながった。本気のサステナビリティ推進がメッセージを裏打ちする。

 トヨタブランドは強かった。総合第1位だけでなく、環境では2位になったものの、社会、ガバナンス、インテグリティで1位になった。順位だけでなく、スコアも頭抜けている。総合順位を示すESG指数で100を超えたのはトヨタだけだった。

■トヨタ自動車のESGブランド調査順位

 各テーマのスコアでも、社会、ガバナンス、インテグリティで2位以下に大差をつけた。ガバナンスに至っては「経営トップがガバナンスに対する高い意識を持っている」をはじめとして設問全12項目で1位を独占した。

 環境では「気候変動の対応に努めている」「省エネに努めている」など設問12項目中4項目で1位。社会では「労働災害の防止など従業員の安全や健康に配慮している」「製品の安全性に配慮している」など12項目中6項目で1位だった。

 ガバナンスに至っては「経営トップがガバナンスに対する高い意識を持っている」をはじめ全12項目で1位を独占した。インテグリティでも「より良い社会づくり(SDGsの達成)に貢献している」「将来世代のことを考えて経営している」など9項目中5項目で1位になった。

 「高い評価はうれしい限りだが、ESGの取り組みはまだ始めたばかりなので正直なところ戸惑いもある」。トヨタ自動車の大塚友美Deputy Chief Sustainability Officer(DCSO)は率直な感想を語る。

 なぜ、ここまで高い評価を受けているのか。企業のESG活動に対する印象を回答者に聞いた自由意見からひもといてみよう。

エコカーへの高い信頼

 目立った言葉が3つある。まず電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの「エコカー」に言及した意見だ。世界での累計販売台数が1000万台を超え、トヨタのエコカーの象徴であるプリウスの印象は根強いようだ。さらに、2019年11月に中国・広州で開かれた広州モーターショーでLEXUS(レクサス)のEV「UX300e」を公開し、20年から中国や欧州などを皮切りに順次発売して、日本では21年前半に発売すると発表した。エコカーという製品がメディアの役割を果たし企業姿勢を雄弁に語れる、自動車メーカーならではの強みと言えるだろう。

■ESGブランド指数トップ10
【調査の概要】
560の企業ブランドを対象に、一般の消費者やビジネスパーソンがESGの視点からどんなイメージを持っているかを聞くインターネット調査を実施し、結果を集計・分析した。調査時期は2020年5月25日~6月30日で、2万1000人から回答を得た。「ESGブランド指数」は、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)、インテグリティの4つのイメージスコアを総合したもので、偏差値(平均50、標準偏差10での標準化)で表している。4つのイメージスコアは、E、S、G、インテグリティそれぞれに関する取り組みのプラスイメージ(9~12項目)とマイナスイメージ(6~10項目)を尋ねて集計したもので、こちらも偏差値で表している。(インテグリティはプラスイメージのみ)。