ESGブランド調査2020取材班

約2万人にESGの視点から企業のブランドイメージを聞く「ESGブランド調査」。2000年から継続してきた「環境ブランド調査」の対象範囲を「環境(E)」だけでなく、「社会(S)」や「ガバナンス(G)」まで広げ、「インテグリティ(誠実さ)」の項目を加えた。第1回の調査結果は、第1位のトヨタ自動車に続き、サントリーが第2位になった。「水と生きる」企業イメージが浸透、環境ブランドを不動のものにした。

 環境のサントリーは2020年も強かった。ESGブランド調査の前身である環境ブランド調査で過去3年連続で1位だった。今回も環境のイメージスコアでトヨタ自動車を退け首位を獲得した。

■サントリーのESGブランド調査順位
■ESGブランド指数トップ10
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 「サントリーグループは、05年に『水と生きる』というコーポレートメッセージを掲げ、社会と自然との共生を目指して活動に取り組んできた。その積み重ねが社会に理解され、環境1位に結びついていると思う」と、コーポレートサステナビリティ推進本部の北村暢康サステナビリティ推進部長は語る。

 環境1位の原動力となったのが、「生物多様性の保全」や「自然保護」(いずれもプラスイメージ1位)に対する評価だ。自由意見でも「水資源の保護」や「環境保全」に関する記述が多かった。同社が最重要課題としている「水」への取り組みが、環境のプラスイメージに結びつき、企業ブランドを高めている。

水のサステナビリティを追求

 活動の中心は、水源涵養力のある森林を育てる「天然水の森」だ。現在、全国15都府県21カ所、約1万2000haに拡大している。

 「20年までに国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を涵養する」という目標を14年に掲げたが、19年6月に1年前倒しで達成した。

 こうした水への取り組みが地域社会にどんな影響を与えているのか。同社は客観的評価を得ようと、認証取得にも動き出した。

 18年12月、鳥取県江府町にある「奥大山ブナの森工場」が国内で初めて水のサステナビリティに関する「Alliance for Water Stewardship(AWS)」認証を取得した。20年1月には九州熊本工場も取得している。

2020年1月に「Alliance for Water Stewardship(AWS)」認証を取得した九州熊本工場
(写真提供:サントリー)
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 「審査の重要なポイントは、地域との共生。外部機関の認証を得ることで、取り組みの方向が正しいことが確認でき、地域住民の安心にもつながる」と北村部長は狙いを語る。

 地域に根差した環境活動としては「天然水の森」を活用した自然体験プログラム「森と水の学校」や「出張授業」などがある(20年はコロナ禍のため中止あるいは縮小して実施)。こうした取り組みが評価され、サントリーは社会においても「社会や地域への貢献活動」のプラスイメージで1位を獲得している。