2020年4月、スーパーの全売り場でレジ袋を有料化した。「マイバスケット」は半年で19年1年分を上回る売り上げに(写真提供:イオン)
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 有料化が義務になったレジ袋については、イオンは1991年に「買い物袋持参運動」を開始し、2007年には全国チェーンストアで初めて無料配布を中止している。20年4月、さらにスーパーの全売り場、全業態で有料化するのを機に、「若い世代にもメッセージを発信したい」(鈴木部長)と吉本興業と手を組み「みんなで♯マイバッグキャンペーン」を展開した。お笑いタレントがマイバッグ持参を呼びかける動画を店頭やSNSで流した他、ジミー大西さんデザインのマイバッグを販売した。

 レジ袋の全面有料化を見据え、19年春にカラーバリエーションを増やしていた「マイバスケット」はキャンペーン効果もあってか、20年3月からの半年で19年1年分を上回る39万個を売り上げたという。

 再生可能エネルギーに対しても独自の取り組みを進めている。事業者がイオンの施設に設置した太陽光発電システムで発電する電力を購入・活用する「PPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)」モデル、FIT(再生可能エネルギー固定価格買い取り制度)切れの電力を購入しイオンの店舗に供給するスキームなどを導入。20年3月にはイオンスタイル海老江、イオン藤井寺ショッピングセンターで使用電力の100%を再エネで賄い始めた。

「持続可能な調達」に評価

 社会分野では「フェアトレードなど社会的格差や貧困問題の解消に積極的」で3位、「原料のトレーサビリティを確保している」で7位と調達に関する評価が高かった。「持続可能な調達方針」を打ち出し、グローバル基準に基づいて生産された認証商品を拡大していることが好印象につながったとみられる。「安さを追求するばかりでなく持続可能な調達を意識していると知って購買意欲が上がった」という意見もあった。

 例えば水産物に関して、イオンはMSC(海洋管理協議会)、ASC(水産養殖管理協議会)の認証商品の調達を強化してきた。現在、MSC認証は25魚種43品目、ASC認証は11魚種20品目に広がっている。認証商品で構成した売り場「フィッシュバトン」は68店舗に設置した。「おにぎりの具や加工品などでも認証を取得した水産物の活用が進み、お客様に届くシーンが増えた」(鈴木部長)ことも活動の認知度を高めた。

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「持続可能な調達方針」を打ち出す。認証商品で構成する水産物売り場「フィッシュバトン」は現在68店舗に設置している(写真提供:イオン)

 「社会や地域への貢献活動を行っている」という設問でも第3位につけた。買い物金額の一部を地域支援に充てる「幸せの黄色いレシート」キャンペーンや「ご当地WAON」など長年取り組む地域支援活動が浸透したほか、災害時などの復興支援にも積極的なことが「生活に密着した社会貢献活動をしている」と好印象につながっている。

学校が臨時休校になった今春、十分な食事の機会が持てない子どもたちを支援する団体への募金活動を実施した(写真提供:イオン)

 新型コロナウイルスの感染拡大で全国の学校が臨時休校になった20年は、グループ店舗8600カ所で給食の提供を受けられず十分な食事の機会が持てない子どもたちの食を支援する団体への募金活動を実施した。「グループ会社と情報共有しながら、社会・地域で求められる支援活動を探り実行している」(鈴木部長)。社会の変化を捉え、タイムリーに課題解決に動く。

 イオンはガバナンスイメージスコアでも第10位に入った。個人株主が全体の3割に達することから、株主総会以外に全国7カ所で株主懇談会を開催し、地域の株主と役員が意見交換できる場を設けている。コロナ禍の中で開いた20年5月の株主総会ではオンラインでも参加できる仕組みとした他、事前に質問を募る取り組みも行った。

 積極的にコミュニケーションの場を設け、株主の声に耳を傾ける姿勢が「株主や投資家などに配慮した経営」の高評価に結びついた。