先日、事業を通じた社会課題の解決に取り組む、20代の起業家の方とお話する機会があった。その熱意や行動力に感心しながらも、気になったのは「SDGsウオッシング*と言われたくない」という発言だった(*本稿では語尾を「ウオッシング」で統一。「ウオッシュ」も同意)。最近、企業の方とお話ししていても、「ウオッシングと批判されないためにどうすればよいか」という質問をよく耳にする。

 せっかく、素晴らしい取り組みをしているのに、ウオッシング批判を恐れて情報開示を控えるのはもったいない。一方で中身が伴わないウオッシングが増えているのも事実だ。よって、どういう状態だと批判される可能性があるのかを本稿で考察してみたい。

そもそもウオッシングとは

 英語のWhitewash(体裁を繕う、欠点を隠す)になぞらえ、うわべだけ環境保護に取り組んでいるようにみせることを「グリーンウオッシング」、うわべだけSDGsに取り組んでいるようにみせることを「SDGsウオッシング」と呼ぶ。どのような基準で「ウオッシング」と判断するかの画一した定義はないが、国連グローバル・コンパクト(UNGC)とグローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)が共同開発した、企業向けのSDGsに関する情報開示を促進するためのガイドラインにおける記述が分かりやすいので以下に記す。

(前略)“「チェリーピッキング(良い所どり)」と「SDGsウオッシュ」を排除する:「チェリーピッキング」とは、最も優先順位の高いものではなく、企業にとって最も簡単なものに基づいてSDGsのゴールとターゲットを選択することである。「SDGsウオッシュ」とは、グローバル目標であるSDGsへの積極的な貢献のみを報告し、重要な悪影響を無視することを意味する。楽に勝つことと利益を創出することは首尾一貫した戦略の一部ではあろうが、一方で、企業が業務やバリューチェーンと関わりのある優先的なSDGsターゲットの全範囲を特定し、行動することも不可欠である。”(後略)

出所:「SDGsを企業報告に統合するための実践ガイド」

 これまで著者がお会いした大企業から中小企業の方々との様々な対話の中から、将来的なウオッシング批判の対象になってしまう心配があるものを、少し抽象化して下表にあげてみた。