商品を提供する企業から変わる

 近年、SDGs(持続可能な開発目標)やサステナビリティ思考が社会的に広まり、多くのメディアを通して環境に配慮した選択を促すような啓発活動も盛んになっています。しかし、これらの既存の手段は消費者に環境に配慮した行動を選択することを押し付けてしまっている可能性があるということを私たちは気づいたのです。

 世の中にはどんなにお願いしても、ルールや規則を守らない人が一定数存在するのが現実です。「こういう行動をとってくれれば環境保全につながる」と言われても、全員が従うわけがありません。綺麗事や理想を語るだけではなく、本気で環境問題を改善していくためにはどうしたらいいのか。

 私たちは、消費者に行動選択を任せるのではなく、そもそも商品を提供している側の企業が生産するものをサステナブルにすればいいのだと考えるようになりました。そうすれば、消費者がどういう選択をしようとも環境保全につながるはずだと。そして、ユーグレナで以前生産されていた一部の飲料の容器がプラスチック製だった点を指摘し、これをよりサステナブルな素材に代替してもらうことを取締役会で提言したのです(編集部注:ユーグレナはペットボトル入り飲料の販売をやめると決断し、2020年9月からペットボトルを紙製容器に切り替え始めた)。その他にもいくつか提言した企画があり、それらも順次実行に移っているそうです。

 当時を振り返ってみると、取締役会でのプレゼンテーションは一瞬だったとはいえ非常に重要なイベントでした。私たちがそれまで試行錯誤した内容が凝縮されたスライドを見せながら、ユーグレナのトップの人たちの前で発表して、そこで受け入れてもらえたことで今があります。この提言が決議されたのをきっかけに、他社にも似たような動きが波及してほしいと強く思います。

 最終的には「サステナブルな仕組みを作れていない企業はダサい」とまで言われるようになれば、「みんなが意識していても、していなくても環境配慮が当たり前な社会」が訪れます。そういう点において、早期に挑戦的な改革を受け入れてくれたユーグレナは本当に素晴らしいと思いますし、初めて一員になれた企業がユーグレナでよかった、と自信を持ってみんなに言えます(言っています)。

 次回は、取締役会で決議されたプロジェクトを世の中に様々なメディアを通してリリースした時のことをお話しできればと思います。