高校2年生の夏、「CFO募集、ただし18歳以下」という新聞の一面広告に私の目は釘付けになっていました。世間一般で知られているCFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)ではなく、CFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)という役割に興味を持ち、応募に至りました。

2019年、ユーグレナが新聞に掲載した「CFO募集」の一面広告。「18歳以下」の文字が目立つ(写真:ユーグレナ)
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 私は2019年の秋頃、幸運にも500人を超える応募者の中から初代CFOに抜擢されました。ユーグレナのCFOとして、私がリーダーを務めたFutureサミットのメンバーたちと共に1年間、社会・環境問題と向き合ってきました。「社会のために、環境のために、今私たちがユーグレナと共に取り組むべきことは何なのか」を「未来の大人」チームとして模索し続け、20年3月の取締役会で経営改革の提言につながったのです。

 私たちは数多くの勉強会と議論を積み重ね、「環境に対する意識の高さにかかわらず、消費者が意識せずとも環境に配慮した行動を取れる仕組みをつくりたい」という結論を導き出しました。これは、Futureサミットのメンバーそれぞれが日頃から多種多様な活動を通して感じていた「他人の言動を即座に変えるのは難しい」という現実的な気付きをきっかけとしています。世の中には環境課題と向き合えるようなワークショップや講演会が多く存在しますが、それらに参加する方々は少なくとも環境問題に目が向いているといえるでしょう。もちろん、このような活動も非常に重要ではありますが、イベントを開催して参加してもらうだけでは全員の意識・行動は変わりません。

ユーグレナの初代CFOに選ばれた小澤杏子さん(写真中央)。出雲充社長(同右)と永田暁彦副社長(同左)
(写真:ユーグレナ)

ペットボトル商品の全廃を決定

 1番の理想は、世界中の誰もが環境に配慮した行動を日常的に取れるような社会をつくることです。この理想の社会に近づけるべく、ユーグレナの改革を通して、(1)既存の飲料用ペットボトル商品を全廃すること、(2)一部商品においてプラスチックストローの有無を選択できるようにすること──が決定され、20年6月にプレスリリースが出されました。(1)の手段を取ることで、消費者の方々はこれまで通りに商品を買うだけでプラスチックの削減に貢献できます。また、(2)の施策によって選択肢が広がります。

 一見シンプルな決断のように見えますが、ここに至るまで半年以上の時間を割いています。この時間を長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれかと思いますが、学生である私たちにとっては非常に長い道のりでした。本連載では、1年間を通して私たちが経験した様々なエピソードをお届けできればと思います。社会経験のない10代の私たちが環境問題や社会問題をどのように捉えているのかを素直に伝えられれば、嬉しいです。

小澤 杏子(おざわ・きょうこ)さん
2002年生まれ。東京学芸大学附属国際中等教育学校に通う高校3年生。帰国子女。バスケットボール部で活動し、ジュニア農芸化学会での銀賞などを受賞。体育祭実行委員会委員長も務めた。日本原子力学会誌ATOMOΣで時論、コラムを寄稿
(写真:北山 宏一)