このように、BMWは「サーキュラー素材」を利用する先進的な取り組みを通じ、再利用を前提としない「一方通行型」の資源利用と廃棄物を削減することに成功しています。サーキュラー型サプライチェーンが目指す究極的なゴールは、生産システムの全面的な変革を通じてバリューチェーン全体にわたって資源が循環する流れを構築し、無駄を排除することです。そのためには、自社の変革のみならず、業界を越えた様々な利害関係者との継続的協力を通じ、「無駄」を「価値」に変える取り組みが欠かせません。

 アクセンチュアではCEにおける無駄を以下の4つに分類していますが、サーキュラー型のサプライチェーンは左上の「資源の無駄」に焦点を当てた取り組みと言えます。

■4つの無駄
出所:アクセンチュア
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CEを推進する10の先端技術

 無駄を富に変える上では先端技術の活用も重要になります。アクセンチュアでは、CEの推進を技術的に支える存在として以下に挙げる10の技術を特定しています。実際、BMWの事例では原材料調達において「ライフ&マテリアル・サイエンス・テクノロジー」と「高度なリサイクル・テクノロジー」の2つが効果的に活用されているのが分かります。

 業界や事業領域などによって、比較的短期間に効果が上がる施策がある一方、最新の技術を駆使しても5年、10年という長い時間がかかる場合もあるでしょう。最終的に社会の価値観を変革するためには、膨大な時間と投資が必要となります。技術の活用や業務プロセスの見直しなどを通じて、高価値なものを低コストで提供していく努力を続けるのはもちろん、経営者の深い関与と強い信念が重要になるのは言うまでもありません。

 次回は、「シェアリング・プラットフォーム」と「製品のサービス提供」の事例をご紹介しながら、より深くCEのビジネス価値を掘り下げます。

■サーキュラーエコノミーを支える10の技術
M2M:Machine to Machine 出所:アクセンチュア
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