今回はサーキュラーエコノミー(CE)の5つのビジネスモデルの最後の2つ、「製品寿命の延長」と「回収とリサイクル」について解説していきます(前回の記事から読む)。両者は5つの中でもとりわけ密接に関わり合っており、資源循環の輪を閉じ、モノや資産の潜在価値を最大化するための両輪となる取り組みと言っても過言ではありません。

顧客の購買を減らしても稼ぐパタゴニア

 従来型の企業活動では、顧客に製品をいかに多く買ってもらうかが経営の中心テーマでしたが、その真逆をいく企業が存在します。アウトドア用品大手の米パタゴニア(Patagonia)です。同社は、自社製品をより長く使ってもらうためのプラットフォームである「Worn Wear(ウォーンウェア)」を運営しています。

 同社の公式サイトには「消費を減らす。必要ないものは買わない」という従来型のビジネスの基本原則に反するメッセージを以下の通り掲載しています。これはまさしく「製品寿命の延長」を体現した取り組みそのものと言えるでしょう。

なぜギア(筆者注:同社製品を指す)の寿命を伸ばすべきなのでしょう?
なぜなら私たちが惑星のためにできる最善のことは、消費を減らし、すでに所有している衣類をより長期間活用することだからです。
まずは消費を減らす。必要ないものは買わない。次は修理。まだ使えるものは直して使う。または再利用したり、共同使用することもできる。そしてついにこれらの選択肢がなくなったとき、リサイクルすること。
私たちは、皆さまの購買を削減するためにギアを長持ちさせるお手伝いをします。

私たちが会社としてできる最も責任あることのひとつは、長持ちする高品質の製品を作ることで、それにより皆様は消費を抑えることができます。
衣類の寿命をわずか9か月間伸ばすことにより、炭素排出、水の使用、そして廃棄物のフットプリントを20%〜30%も削減できます。

 出所:パタゴニア日本語公式サイト