日経ESG・ESGブランド調査2021取材班

第2回ESGブランド調査でコカ・コーラは、「リサイクルに注力」の環境プラスイメージで初の1位に輝く。サステナビリティとマーケティングを同軸に乗せた戦略で効果を上げた。

 コカ・コーラは、昨年の総合38位から今年は5位へと躍進、トップテン入りを果たした。

 注目は、環境のプラスイメージ項目「リサイクルに力を入れている」で初めて1位を獲得したことだ。この項目は本調査の前身である環境ブランド調査でも採用し、回答率が特に高い。過去5年間で4回ファーストリテイリングが1位を獲得し圧倒的な強さを見せていたが、今年はコカ・コーラが初めて1位を奪取した。

■ コカ・コーラのESGブランド指数
■ コカ・コーラのESGブランド指数
■ ESGブランド指数トップ10
■ ESGブランド指数トップ10
11位から100位のランキング、調査方法はこちらを参照ください
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日本の課題を戦略に落とし込む

 米国コカ・コーラ社の日本法人である日本コカ・コーラとボトリング会社5社で構成するコカ・コーラシステムが足並みを揃えてESG経営に本格的に取り組み始めたのは2019年からという。

 「日本独自の課題を洗い出し、本業を通じて解決にどう取り組んでいくか、行動の基盤となるサスティナビリティーフレームワークをつくり上げた」と、日本コカ・コーラの田中美代子広報・サスティナビリティー担当副社長は話す。

 このフレームワークは、日本の社会課題を「多様性の尊重」「地域社会」「資源」の3つに大きく分類し、重点課題として9つのテーマを掲げている。

 このうち「資源」の最重要課題として掲げたのが、容器のリサイクルだ。18年1月に「容器の2030年ビジョン」を策定し、取り組みを推進している(下の図)。

■「 容器の2030年ビジョン」に向けた容器の開発ロードマップ
■「 容器の2030年ビジョン」に向けた容器の開発ロードマップ
30年に石油由来原料の使用ゼロを目指す。達成に向けてボトルtoボトルを推進するほか、植物由来のPET樹脂への切り替えを進める
(出所:「日本コカ・コーラ ESG レポート2021」を基にESG編集部作成)
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 使用済みPETボトルを回収し、新たにPETボトルとして再生する「ボトルtoボトル」を推進。30年までに全ての製品のPETボトルを、リサイクルPET樹脂または植物性PET樹脂に切り替え、新たな石油由来の原料の使用をゼロにすると宣言している。

 こうしたリサイクルの取り組みを消費者に訴求する決定打になったのが、主力ブランド「コカ・コーラ」への100%リサイクルPETボトルの導入だ。「原料となるリサイクル樹脂をどの製品に使うかは重要な戦略。再生するボトル1本当たりの使用率を少なくして多くのブランドに行き渡らせるか、主力ブランドのボトルに原料を集中し100%リサイクルPETとして打ち出すか。よりインパクトのある戦略を取った」と、田中副社長は語る。