イラスト:高田真弓
イラスト:高田真弓

 気候変動の影響で、社会や経済、企業が受けるリスクのこと。気候リスクには2種類あります。気候変動防止の政策や社会の変化の影響を受ける「移行リスク」と、異常気象の影響を受ける「物理的リスク」です。

 CO2排出規制が強化されて省エネ設備への投資が必要になることや、再生可能エネルギー電力が増えて電気代が上がるのは移行リスク、水害で建物が浸水することや、海水温が変化してサンマの産地が変わるのは物理的リスクです。対応に投資が必要になったり、売上高や利益が減ったりするため、企業の財務も影響を受けます。財務にプラスの影響が及ぶ場合は「リスク」ではなく「機会」と呼びます。

 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は、企業に対し、どのような気候リスクが想定されるかや、売上高や投資計画がどのくらい増えたり減ったりするかを予測して示すことを求めています。統合報告書だけでなく、有価証券報告書など法的開示に記載できることが理想です。

 2017年、TCFDの「提言」で気候リスクを開示する必要性が指摘されました。企業が統合報告書などで気候リスクの公表を始めています。気候リスクとともに、財務への影響を分析・推定して公表する企業も現れました。日本ではキリンホールディングスなどが公表しています。