花王
顧客も業界も巻き込む「いっしょにeco」

16位(2011)⇒25位(2012)⇒15位(2013)

 花王はこの8月に、洗濯用の超濃縮液体洗剤の新製品「ウルトラアタックNeo(ネオ)」を発売する。ちょうど4年前に発売した「アタックNeo」を進化させた製品だ。

 同社は2009年6月に、新たに環境宣言「いっしょにeco(エコ)」を掲げた。「お客さま」「ビジネスパートナー」「社会」とともに実行する活動を提案し、環境活動を刷新した。

 これを象徴する製品として2カ月後に発売したのがアタックNeoだった。従来品の2.5倍に濃縮して容器を小さくしたことに加え、1回で十分にすすげるようにした。この「すすぎ1回」による「節水」「時短」というユーザーメリットが、消費者にインパクトを与え、支持された。

 この後、同様の超濃縮液体洗剤を他社が発売。また、家電メーカー各社は、新たに「すすぎ1回コース」を設定した洗濯機を発売するようになった。消費者のみならず、関連業界をも巻き込んだ「いっしょにeco」へと発展していったのだ。

 それまで同社は、環境への取り組みには熱心だったものの、それを消費者に訴求することには、あまり積極的とはいえなかった。

使用時の負荷が90%以上

 転機となったのが、経済産業省によるカーボンフットプリント(CFP)試行事業への参加だ。2008年12月の「エコプロダクツ展」に試行例が初めて展示された際には、シャンプー製品におけるCFP表示例を出展した。「LCA(ライフサイクルアセスメント)解析で、使用時の環境負荷が全体の90%以上にも及ぶことが分かった」と、環境・安全推進本部の柳田康一部長は振り返る。

 さらに代表的な製品のLCA解析も進め、自社製品全体でも、使用時の環境負荷が半分以上を占めることが分かる。このデータを経営陣に提示し訴えた。ここから、「消費者への訴求にも積極的になった」(柳田部長)。

 とはいえ、アタックNeoのテレビCMなどで「すすぎ1回」を大々的に訴求したのは、発売後1年間程度だ。その後は、店頭での販促ツールなどで地道に呼びかける活動が中心になる。包装材の使用量削減のために、以前から取り組む詰め替え製品も、地道に進展させている。

 これら環境関連の研究開発は、2011年6月に和歌山工場(和歌山市)内に開所した「エコテクノロジーリサーチセンター(ETRC)」に機能を集約し、加速させている。同時に、体験型の「花王エコラボミュージアム」も開設。約2年間で約2万8000人が訪れ、好評だという。

 こうした活動の積み上げで「いっしょにeco」は消費者に浸透し、次なる飛躍の段階を迎えている。

2011年に和歌山工場内に開所した「エコテクノロジーリサーチセンター(ETRC)」(右)と、その本棟1階の「花王エコラボミュージアム」(左)