資生堂
イメージを覆す「美とエコの共生」

59位(2011)⇒58位(2012)⇒23位(2013)

 昨年12月の「エコプロダクツ展」。メーキャップの実演などの展示に、多くの女性たちが集まる資生堂のブースは異彩を放っていた。

 同展では、子ども向けや家族向けを意識した展示が目立ち、実際、そうした来場者が多い。だが同社は、「大人の女性をターゲットにした」(CSR部環境企画室の尾上真由美課長)。そして、狙い通りの結果が得られたわけだ。

 実演では、どうしても使い切れずに残ってしまうファンデーション、アイシャドー、チーク、口紅といったメーキャップ製品を最後まで使い切る化粧法などを紹介した。例えば、はやらなくなったり、好みが変わったりして使わなくなった色を複数混ぜて使いたい色を作ることで使い切る。利用者の「もったいない」という意識に訴え、経済性とともに、環境への配慮も訴求した。

 同社が目指す「美とエコロジーの共生」を、分かりやすく伝えた実演だったといえる。

 「美を追求する化粧品は、ぜいたくで環境に良くないというイメージを持たれがちだが、それを覆す新たな価値の創造を目指している」と、尾上課長は話す。この方向性を明確に打ち出したのは、環境統括室が設置された2009年のことだ。

世界展開で環境が不可欠に

 この前年、まずはアジアでの存在感を確立し、最終的には欧米も含めた全世界での躍進を目指すグローバル戦略を策定した。各国で受け入れられるには、環境への取り組みの強化が不可欠だと、経営陣は危機感を強めた。そこで2009年に、「環境への取り組みをリスタート(再出発)した」(尾上課長)のだ。

 2010年には、商品設計での環境基準「モノづくりエコスタンダード」を制定した。容器・包装では、植物由来プラスチックの採用を拡大するなどの取り組みを加速させた。

 詰め替え製品も拡充した。既にメーキャップ製品では普及していたが、化粧水や乳液などのスキンケア製品では取り組みが遅れていた。まずは低価格帯の製品から導入し、昨年9月には中価格帯として初めて、「エリクシール シュペリエル」などの化粧水と乳液で導入した。

 CSR(企業の社会的責任)活動も戦略的に進める。重点市場である中国では、2008年から植林活動を展開する。国内では、主力ヘアケアブランド「TSUBAKI」の原料を長崎県五島列島産に切り換えたのに合わせて、産地での植林・森林保全活動を始めた。地元をはじめ、九州地域で高く評価されているようだ。

 グローバル戦略とともにリスタートした環境への取り組みは、その推進力を大幅に増し、確実に支持を集めてきている。