阿部 俊則 氏(写真:今 紀之)

 2013年4月にネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)「グリーンファースト ゼロ」を発売した。発電や省エネルギーを推進し、住宅内のエネルギー消費を正味ゼロにするもので政府は2020年までにZEHを標準住宅とする方針だ。それに先んじて本格展開し、初年度の2013年度は当社の新築戸建て住宅の5割を占めた。2014年度は6割に高めたい。

 環境には熱心に取り組んできた企業だと自負している。1999年に環境未来計画を出し、2005年にはサステナブル宣言を発表した。2008年に業界初の「エコ・ファースト企業」として認定を受け、2009年には環境配慮型住宅「グリーンファースト」を発売した。太陽光発電システムや燃料電池を搭載し、一般的な木造住宅と比べて居住時のCO2排出量を6~9割削減できる。当社の新築戸建て住宅の85%を占めている。「ゼロ」が売れているのは、グリーンファーストの環境性能がそもそも高いため、差額が約260万円で済むからだ。ZEHの装備を一から付ければ普通は500万円程度かかる。

 ただし、「環境」では売れない。2012年度中期経営計画では、「SLOW&SMART」というブランドビジョンを掲げた。「スマート」は先進技術でという意味だが、「スロー」とは合理性の対極にある、心の通じ合いや潤いである。我々は豊かな「住まい心地」や「暮らし方」を先進技術で実現する。

 お客様のライフスタイルは多様化しており、その人のためだけに設計されたプランを提案することで、満足を超えた感動を提供したい。長く住み続けてもらえる住宅を作り、リフォームにも対応する。

「なでしこ銘柄」に選定

 これらをお客様に伝え、販売や設計を通じて具現化するのは社員だ。人材育成は企業の根幹である。2013年には、女性の活躍推進に優れた上場企業である「なでしこ銘柄」に選定された。我々が提供するサステナビリティ(持続可能性)やダイバーシティ(多様性)といった商品の価値は、当社が目指す経営と表裏一体だ。2014年も決めたことを愚直に実行する企業でありたい。