久保 肇 氏(写真:菊池 一郎)

 積水化学グループでは、「環境」は経営に付随するものではなく、事業に直結した経営の中心をなすものだと考えている。

 自社の活動による環境負荷を抑えるだけでなく、製品やサービスを通じて社会全体の環境負荷を下げることを目指す。2014年度からの3カ年の中期経営計画では、これまで以上に「環境貢献製品」を世に送り出していく。

 環境貢献製品は、2006年度に立ち上げた自社製品の認定制度だ。お客様および社会の環境負荷低減に確実に貢献でき、従来製品と比べて一定以上の環境負荷低減効果を持つ製品やサービスを指す。製品分野ごとに認定基準を設けており、社内の認定審査会による審査と有識者による第三者機関「社外アドバイザリーボード」の評価を経て認定される。

 環境貢献製品は、2007年度には売上高の15%余りだったが、2013年度には約40%に達する見込みだ。さらに、次期中期経営計画が終わる2016年度までに、この比率を50%にまで引き上げる。

営業マンがCSR報告書を携帯

 当社は2003年に、断熱性や気密性を高め太陽光発電などを組み込んだ「光熱費ゼロ住宅」を発売し、大きなヒットとなった。その他にも、老朽化した下水管の内側に新しい管を形成することで、従来の開削式工法に比べて、廃棄物や交通渋滞などを大幅に削減できる「SPR工法」なども収益の柱になっている。こうした経験から「環境」は製品価値そのものだという認識が根付いている。

 環境負荷を低減する製品を開発するだけでなく、それをお客様に提案する「人」の育成にも力を入れる。

 お客様に製品の価値を本当に理解していただくために、営業マンにはCSRレポートを常に携帯してもらい、製品の背景にある環境経営の考え方を伝えてもらうようにしている。さらに、河川の清掃や植林などの社内イベントも積極的に展開していく。環境活動の体験を通じて、一人ひとりの社員が自分の言葉で「環境」を語れるようにしたい。