津田 登 氏(写真:中島 正之)

 三菱ケミカルグループは現在、「KAITEKI経営」に取り組んでいる。このキーワードには、人にとっての心地よさに加え、社会と地球にとってのKAITEKIさも追求するという意味が込められている。従来の経営において重視してきた財務や技術といった観点だけでなく、人、社会、地球のサステナビリティ(持続性)の向上を目指す経営だ。

 KAITEKI経営を推進するに当たっては、実施すべき項目と指標を定め、2011年4月~2016年3月の中期経営計画に経営目標として組み込んでいる。サステナビリティ関連の指標としては、地球環境負荷を2005年比30%削減する、製品を通じてCO2を400万t削減する、130億円相当の原燃料を抑制するなどの目標を定めた。2014年は、目標達成のためにまい進する年だ。

 特に、製品を通じた貢献に注力したい。我が社は、炭素繊維、リチウムイオン電池材料、白色LED(発光ダイオード)照明などの機能商品を数多く手掛けている。曲げたり丸めたりできる有機太陽電池もそうだ。従来設置が難しかった場所でも発電できるため、エネルギーの有効利用やCO2削減に大きく貢献すると期待している。ただ、製品による貢献は、売れないと意味がない。性能向上はもちろんのこと、低コスト化を追求し、マーケティング活動も強化する。

グローバルで一丸となる

 今年はこのスローガンを社内外に広める活動にも取り組みたい。三菱ケミカルグループは三菱化学をはじめとする4つの上場企業が中心で、子会社や関連会社などを含めると約400社に上り、多くがグローバルで事業を展開している。文化や価値観が違う場所で働く社員を1つに束ねるのは容易ではない。

 そこでよりどころとなるのが「KAITEKI」というキーワードだ。社員一人ひとりが「KAITEKIとは何か」「KAITEKIを提供できているか」を問い直し、自身がすべきことを見いだしてもらう。こうしてグループ全体で1つの方向に走っていく。事業を通じて「KAITEKI」をグローバルな言葉として浸透させたい。